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「わ、凄い、ほんとにモフモフ...。」




語彙力が一気に低下した私の両手には、紛うことなきモフ耳がされるがままになっている。


長椅子に腰掛け頭を少し下げてくれたのをいい事に、私はというと身長的にも立ったままの体勢で撫でる事になっているのだが、今はそこは重要ではない。




「普段あまり他人には触らせないから、ちょっと照れるな。」




下を向いていても分かる程、髪の隙間から覗く彼の耳はとても赤い。


どうしてこんなにモフモフなのか、どうしてこんなに肌触りが良いのか、頭の中を色々な感想や疑問が駆け巡る。




「その辺にしてやってくれ。」




白髪の彼の静止の声で我に返った私は、上下に揺れる彼の肩に気付いて咄嗟に手を引っ込める。


モフ耳の彼の息遣いは少し荒れていて、汗が頬から首にかけて伝っている。


口元を手で覆い、顔を真っ赤にしている金髪の彼が視界の隅に映り込み、途端に「色々やばい事をしてしまった。」と頭の中で羞恥心が一気に襲い来る。




「ぇ、えと...、」




一歩、また一歩と後退する私の手を掴み、荒い息を繰り返しながらモフ耳の彼は言った。




「もう、...、終わり?」


「っ!」




最初の印象とは打って変わって、熱を帯びたグラデーションの瞳は、まるで獲物を捕らえたと言わんばかりの獰猛さを孕んでいて。


何も言えないでいる私に、今度は彼が仕掛けてくる。


手をグイッと引っ張り、腰を抱き寄せてくる彼は余裕だと言わんばかりに口角を上げた。




「ねえ、終わりなの?」




耳元で囁かれ、吐息が当たってビクッとしてしまう私を愉しそうに眺める彼は、ひょっとしてとても意地悪だったりするのだろうか。




「さっきまでの威勢はどこにいったのかな?」




喧嘩を宥めていた彼の面影はそこにはなくて。


触らせて欲しいと言ったことを、とても後悔せずにはいられなかった。

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- ウァァ……(死)好きすぎる……びっくらぶ……結婚して……(?) (4月25日 0時) (レス) @page9 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - あくのさん» 生きてください!!!!😭😭💖💖文才力ないなりに頭捻り出して頑張ってます🥰応援とても励みになります!ありがとうございます😭😭💖 (3月22日 0時) (レス) id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - るみさん» ありがとうございます😭😭💖筆が乗ってくれる日とそうじゃない日の差が激しくて😿本当はもっと書き綴りたいんですが💧 (3月22日 0時) (レス) @page9 id: 9c0c3ed197 (このIDを非表示/違反報告)
あくの(プロフ) - アッ………(心肺停止)作者様の書き方ほんとに好きです!!!これからも全力で応援します!!! (3月20日 23時) (レス) @page8 id: 514da34b34 (このIDを非表示/違反報告)
るみ(プロフ) - めっちゃ好き…、毎日見てます!!続き楽しみです! (3月20日 23時) (レス) id: 270f4769cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごみるく | 作成日時:2024年3月17日 18時

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