【gnsn】スネージナヤを出たら色々と大惨事になった件。

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「ここ数日の食材はこれで足りるよね。」




両手いっぱいに抱えた数日分の食材。


少し激しい吹雪に髪とマフラーが攫われ、咄嗟にマフラーを手で抑えると、持っていた食材が数個、雪の中に静かに落ちた。




「あ〜もう！！」




誰に怒るでもなく食材を拾い、早足で自宅へと向かう。


雪に埋もれるブーツに足を取られ、なかなかスピードは上がらなかったが、心理的な作用が聞いたのか、自宅へ向かう道中は鼻歌を歌っていた。




「今日は特に冷えるから、スープでも作ろうかな。」




なんて呑気な事を呟きながら自宅のドアが見えた矢先、私は足を止めたくなった。


ドアに何かが貼ってあるのが見え、それはここ数日続いているものである。


足を止める訳にもいかなく、先程とは打って変わってゆっくりと歩幅を進めていく。



それ(・・)を視認した瞬間、自分でも眉間に皺が寄っていくのがわかった。




「ああ...またか。」




4つ目に隔たれた、何処か禍々しさを思わせるマーク。


ひと月前には見慣れていたマーク。


____...そして私も彼等(・・)と一緒に背負っていたマーク。




「...ファデュイにはもう戻らないって、言ったのに。」




ビリッと扉に貼ってあるマークが描かれた紙を剥ぎ取り、雪の中に放り投げる。




「...スネージナヤから出ようかな。」




そうすれば、彼等も異国の地まで私に干渉して来ないだろう。




「明後日、発つかあ...。」




破り捨てたファデュイのマークが降り注ぐ雪の中に埋もれていく。


その決意が今後、更に面倒な事になっていくことなど、今の私には知る由もなかった。

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