プログラム3番 ページ9
風牙side
俺は今、困っている。
ピアノを弾き始めて1時間。とっくに月光は弾き終わっていた。
＿＿＿＿＿起きない。
この女、人の演奏中にスヤスヤと寝始めたのはいい。本当は良くないが。
その点については妥協しよう。
弾き終わってからずっと目の前にいるにも関わらず、どこ吹く風、と言った様子だ。
それにしても気持ちよさそうな顔で寝てやがる。
下に飲み物でも買いに行くか。そう思いポケットに手を突っ込む。
ちょうど良く小銭があった。
チラリとAを見やる。まだ寝ていた。呆れてため息すら出ない。
「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。」
ーーーーー
Aside
『んー』
ふと目が覚めた。大きく伸びをすると何かが落ちる。
『ん？
やば、イケメンすぎでしょ…』
寝ている私には先輩のブレザーが掛けられていた。
『すごい良い匂いする…』
思わず匂いを嗅いでしまう。
「お前は犬か？」
突然聞こえた声に飛び跳ねた。
『うひゃ！』
「いや、兎か？…起きたのかよ」
『たった今…おはようございます？』
「はいはいおはようさん。
ほら」
先輩は何かを投げてよこした。慌てて受け取る。
『良いんですか！？これめっちゃ好きです！！』
私がそう言うと先輩の顔が明らかに引き攣った。
「お、おう。そうか。よかったな？」
私の手の中にはお汁粉。学校の自販機の中で1番好きだ。
『何で先輩は私の好みを！？
ハッ！ストーカー！ストーカーですね！？』
「馬鹿言うな！んな訳あるか！」
怒鳴られてしまった。何でだろう？
お汁粉を飲んだ後は先輩の演奏を聴きながらウトウトしていた。
「お前は本当に聴く気があるのか…？」
＿＿＿＿＿先輩の、そう言う呆れた声が聞こえたのは知らなかったフリをした。
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夜(プロフ) - 姫歌さん» コメントありがとうございます！！イベント参加許可もありがとうございました！ (2019年3月14日 23時) (
レス) id: d88528ecc4 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - イベント参加有り難うございます！とても楽しく読ませて頂きました。更新頑張ってくださいね！ (2019年3月14日 23時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月蒼 | 作成日時：2019年3月11日 22時
