水の女神は華麗に舞う11【オリオンの刻印】

499,禁断の技 ページ25

(ＮＯside)


《勢いに乗るスペイン代表！日本代表は防戦一方だ！》


二点のビハインドを追う日本だが、試合が再開されてからも勢いに乗ったスペインの猛攻に、守りを固めることが精一杯で攻め上がることすらできないでいる。


そのとき、日本のDF吹雪士郎が弟の吹雪アツヤの元に駆け寄った。


吹雪:「アツヤ、“あれ”を使おう。流れを変えるには“あれ”しかない。」

アツヤ:「断る………“あれ”は禁断の技だ。」


吹雪のその意味を理解したアツヤは不満そうに顔を背ける。


吹雪:「分かってくれアツヤ。僕の足は次の試合まで持ちそうにない。
ここでスペイン打倒への突破口を開く…！」


捨て身の作戦に目を伏せて押し黙るアツヤに、吹雪は説得を試みる。


アツヤ:「………。」

吹雪:「アツヤ！」

アツヤ:「……ああ、分かったよ。
一度決めた兄貴は絶対に折れないからな。
俺達で世界の度肝を抜いてやろうぜ！」

吹雪:「うん…！」


アツヤの言葉に大きく頷く吹雪。


吹雪:「いくぞ！」


アツヤに声をかけ、吹雪はスペインゴールへ向かって駆け出した。

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