やぶ病院は知っている

生きがい ページ15

その夜。

小塚君から電話がかかってきた。


「ねぇ、アーヤ。どうしよう！あの点滴バック、二つともからパンクロニウムが検出出来たよ。だとしたら、犯人は院長なのかな。て言うか、早くしないと、患者さんたちの命が危険だよ！」


うーん、あの院長さんがやったのかぁ…。

そういう人には見えなかったけどなぁ…。


「アーヤ、人を見た目で判断しちゃいけないよ。見た目はまともだからって、中身も良い人とは限らないもの。それに、院長が主犯だと決まった訳じゃない。誰かから脅されてやっているのかもしれないからさ。まぁ、どっちにしろ、共犯だけど。」


そっかあ、そうだよね。

「とりあえず、若武に言って、会議を開いてもらうよ。何度も言うけど、パンクロニウムはものすごい毒で命が危ないからね。僕は、どんなことをしてでも、この事件で死者を出さないつもりなんだ。」


そう言った小塚君は、いつにもましてかっこよかった。

私も見習わなくちゃなぁ…。

そりゃ、私だってどんなことをしてでも人を救いたいなぁ、とは思う。


けれど、実際に行動に移すのは、いささか気が引けるんだ。


私も、kzの活動でみんなから色んなことを学んでいこう。

そりゃ、いらない知識も有るだろうけど、学校で習ったことより、kzで知ることの方が大事だと私は思う。

ママに何て言われようとも、私はこの活動を続ける！

何てったって、生きがいだから！

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