やぶ病院は知っている

いざ、潜入 ページ11

今日は、病院に潜入する日なんだ。

若武が言うには、夜に、でも看護師の見回り前にやりたいらしい。

上杉君は、無事に点滴バックをゲットできたみたい何だ。

だから、患者さんの点滴バックを採れればもうOK！

けど、そんな大胆なこと…

あぁ、またkzが犯罪者チームkzになるぅ…

あ、時間。

急がなくっちゃ。

えっと、帝都病院はこっちだよね。

「みんなっ、遅れて…ごめんね？」

時間には…遅れてないと思うけど。

「よし、我がkzのために、Let's start！」

…わざわざ英語で言わなくても。

でも、発音だけはよかった。

てか、どこから入るの？

堂々と正面から？

「もう、正面ドアは閉まっているから、裏口から、かな。」

裏口って、カギかかってないの？

「上杉、万能キーオープン。」

あ、カードキーじゃなかったんだね、よかった。

ハート虫は知っている、の中のビルみたいなのだったら、どうしてたんだろう。

そう思った矢先。

「わ！」

「アーヤ、お静かに。」

だって、今、何かが通った…！

「院内巡回中のロボットだろ、騒ぐなよ。」

そっか、ごめんね。

「美門、患者の部屋は？」

「んと、こっち。」

割と、近いんだね。

「上杉、お前、点滴の変え方分かる？」

「ん、分かる。」

おお、すごい！

「じゃ、このまま病室に入り、上杉が点滴を変え、退散していく。各自、サポートとか、しろよ。」

了解です！

そこから、上杉君が作業する事三分。

「できた。はいこれ、小塚。」

特に問題も起こらず、作業は終了。

これって、私がいる意味あったのかな？

「よし、帰ろう。」

うん。

「何だね、君達は。」

声のする方を見ると、点滴バックを持った１人の男の人が立っていた。

胸にぶら下げてある名札には、院長、と書かれている。

この人が、院長かぁ…

っていうか、どうしよう！？

「僕達は、学校で帝都病院に関する奇妙な噂が流れているので、調べに来たんです。」

瞬間、院長のおでこにしわがよった。

「その噂とは、帝都病院では、夜に廊下を幽霊が歩いているらしいていう噂です。」

すると、院長のしわがなくなり、ホッとしたような表情になった。

「でもそれは、巡回中のロボットでした。こんなことをしてしまって、本当にすみません。」

嘘、上手だね。


「いや、子どもの好奇心を否定はしない。私も子どもの頃、よく探検していたものでね。」

そうなんだ。

ふと、周りを見ると、翼と点滴バックが無くなっていた。

あれ…？

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