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出会いその3 ページ9

中2の冬だった。


俺は、辛いことがあるとよく屋上に行って空を眺めるようにしていた。


空は大きくて広くて、こんなちっぽけで弱い自分を「落ち込んでる場合じゃねぇ」って奮い立たせてくれる気がしたから。

ま、たまにこじらせて「いっそ死にたい」って考えちゃうこともあったんだけどねw




で、その日も屋上に行った。


小さい頃から一歩引いて物事を見る癖があった俺は、中学に入り、いつの間にか「陰キャラ」と呼ばれるポジションにいた。

いじめによって疲弊していた俺の心は、軽く限界に達していたらしく「なーんか死んでもいいなぁ」なんて物騒なことを考えていた。


今思えばその日、『君』がそこにいなかったら俺は死んでいたかもしれない。





屋上のドアを開ける。



「...えっ」


いつもは殆ど人がいない放課後の屋上に、1人の女の子がいた。

どこか見覚えのある後ろ姿。


...そうだ、小学校が一緒だった子だ。小学生の時は殆ど話したことはなかったけど、最近シルクが「あいつ面白ぇんだ」と言っていたことを思い出す。



と、『君』の声で思考が現実に引き戻された。




『これしかない』


そう呟くと、『君』はフェンスに手を掛け登り出した。



...は!?ちょ、死ぬ気!?



先ほどまでの自分はどこへやら、その行動を見て一気に冷や汗が噴き出した。

死ぬつもりなら止めないと。


そう思って全力で走る。そのまま勢い良くフェンスにガシャンっと掴まると、やっと俺が居ることに気づいたのか、『え!?』と声を上げて動きを止めた。


「何してんの!?早く降りなよ!!」



俺がそう叫ぶと、驚いた顔のまま、


『...なんで?』

「危ないだろ!死ぬつもりならやめときなよ!」


俺の言葉に一瞬ぽかーんとした後、笑い出した。


『あっはっはっはwww』

「なんだよ!」

『君、私が死ぬつもりだと思ったの?w』

「え、違うの?」


ひとしきり笑った『君』は違うよ、と言ってそのまま言葉を続ける。


『フェンスに登ったら少しでも空に近づけるんじゃないかって思ってね。まさか間違えて止められるなんてw』

「〜っっ心配して損した!!」


恥ずかしさのあまり背を向けて帰ろうとすると、背後から呼び止められる。


『ねぇ、また明日もここ来てよ』

「...なんで?」

『もっと話したい!』


その簡潔な答えに、俺は笑って「分かった」とだけ答えると、屋上を後にした。



これが、俺、モトキと『君』___茜との出会い。



ーーー
青春...?

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作品ジャンル:ギャグ
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チョコザイ(プロフ) - おもしろい (2018年7月28日 16時) (レス) id: 613124173f (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - よつ葉@YouTube命。さん» おう!考えて考えて((┌|o^▽^o|┘))♪ (2018年5月8日 1時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)
よつ葉@YouTube命。(プロフ) - Alice:Aさん» 了解!考えるねヽ(・∀・) (2018年5月7日 15時) (レス) id: 99a9981eb6 (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - よつ葉@YouTube命。さん» 楽しみにしてて!願わくばリクエストををを!!(図太い) (2018年5月6日 22時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - りんごおさん» 見てくれるだけで充分だよー!4章楽しみにしてて! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alice:A | 作成日時:2018年2月7日 22時

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