妹です。参の２３ ページ24
次の日もまた次の日も。
兄貴達は戦場に向かった。
最初は何ともなかった、少し怪我をしているだけで。
でも日を追う事に傷は酷くなる一方。
｢……A、高杉の手当てを頼む｣
ある日晋兄は気を失ってしまう程の怪我を負った。
すぐに手当てをして布団に寝かせる。
｢兄貴達はもう寝なよ。傷の治りが悪くなるよ｣
｢しかし…｣
｢いいよ、大丈夫。晋兄の看病は私に任せて休んで｣
そう言うと少し目を伏せた後に｢わかった｣と一言。
部屋へ休みに行った。
｢…晋兄｣
苦しそうに息をする。静かに晋兄の手を握った。
腕や胸に斬られた傷がたくさんあった。
もしかして、皆疲れが溜まってこんな風になっているのではないかと思い始める。
｢__おい、A｣
｢うおおっ！びっくりした！！あ、目覚めた？良かった｣
晋兄はため息をつきながらこちらを辺りを見回した。
晋兄にとってはさっきまで戦場だったんだろう。
｢気失ったんだって｣
｢…そうか……いっ！｣
起き上がろうとして傷が痛んだようだ。
｢無理しない方がいい、傷開くよ｣
それでも起き上がり座った。
傷のせいで座っているのもやっとのようだ。
｢A、包帯変えてくれ｣
｢えっ、でも｣
目で変えろ、と伝えてくる。私は渋々包帯を取り出し晋兄の包帯を取った。もう血が滲んでいる。動いたのもあるだろうが。
｢もう……こんなになるまで無理しないでね｣
シュル
返答はなく、巻き直しているのをじっと見ている。
巻き終わり次は腕の包帯をと思った途端に体が傾いた。
｢なァ、A…｣
いつの間にか晋兄に抱き締められていた。
私は静かに答える。また口を開く。
｢これからも…ずっとこうやって傍に居てくれねぇか｣
｢へっ？｣
思わず間抜けな声が漏れた。それはプロポーズ？
一瞬にして熱くなる顔。
｢なななっ、まっ、えっと、｣
ビシッ
｢あたっ！｣
｢…冗談だよバーカ｣
デコピンを食らった。
でも本当に驚いた。晋兄の冗談は冗談に聞こえない時が多々あるが…冗談だったのか。一瞬答えを考えてしまった。
｢からかうなよー！｣
｢まぁ、本音だけどな……｣
晋兄が何かをボソッと呟いていた。
私には聞き取れていなかった。
｢ん？なんか言った？｣
｢やっぱバカ｣
バカとは失礼な。晋兄は私で存分に遊んだ後布団に横になり眠りについた。そして私も途中から意識はない。
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不知火 - 最初から読みました！夢主ちゃん可愛いですね！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年7月31日 19時) (
レス) id: 68e4cbd60a (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 凄く面白いです！！更新、楽しみに待っています！頑張ってください！ (2016年9月13日 19時) (レス) id: 691f996cf5 (このIDを非表示/違反報告)
かおもじ(=ﾟωﾟ)ﾉ - 何回見ても面白い! (2016年8月22日 16時) (レス) id: cac7bc222e (このIDを非表示/違反報告)
みゃー(プロフ) - 更新がんばってください (2016年8月4日 14時) (レス) id: d6575d5dcb (このIDを非表示/違反報告)
キラ - ヤバい…涙が…(/_;) (2015年11月17日 20時) (レス) id: 2a19c64327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネガティブ | 作成日時：2015年6月21日 4時
