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vol.9 ページ10

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「・・・ッ、んぅ・・・ッ!」





何度も何度も角度を変えて重なるそれに、私はどうしていいか分からなくなった。


手首は壁に押さえつけられ、足の間には高杉の膝。





「・・・たかすぎ・・・ッ、」





やっと離してくれた高杉の右眼は、どこか熱っぽい。

ほんのり香る煙草の匂いは、先生とは違うもの。





「・・・なァ、ここまでしてンのにまだ分かンねェか」


「何の、こと・・・」





まだ苦しい息を整えながら、高杉に聞き返す。





「俺ァ、テメェに惚れてンだ」





あまりに突然で、何を言っていいか分からない。





「・・・ふっ、その様子じゃァ全く気付いてなかったみてェだなァ」


「だって・・・、えっ、高杉が、・・・え?」


「あァ、惚れてら」


「うわぁぁあ待って待って待って・・・!」





思わず耳を押さえてしゃがみこんだ。


色々ありすぎて頭が追いついてこない。





「まァ、テメェが銀八の野郎に惚れてンのも知ってるがなァ」


「はァ!?」


「あ?惚れてねェのか?」





ほ、惚れてなんか・・・ッ





(・・・いや、惚れてるわ)





すとーん!


あまりに違和感なく心の中に落ち着いたその答え。





「・・・ほ、惚れてますね」


「そんなモンどうでもいい。
テメェが誰に惚れてようが振り向かせるだけだ」





わざわざしゃがみこんで私に視線を合わせて言ってくるあたり、イイ性格してる。





「もう遠慮しねェからな」





ほら立て、と手を差し伸べてくる高杉。





「送っていく」


「いやでも、」


「さすがにさっきの今でこれ以上しねェよ」





そりゃそうだ!!





「なんか、悪いっていうか・・・」


「・・・テメェさっきのこと忘れたとは言わねェよなァ・・・?」


「・・・ハイ、スミマセンデシタ」





高杉の睨みに、勝てなかった。



結局家の目の前まで高杉に送ってもらい、色々起こりすぎて疲れたのか、泥のように眠った。







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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて! (2020年9月29日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか? (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐり | 作成日時:2018年7月5日 21時

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