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vol.14 ページ15

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先生の顔もまともに見ないまま、屋上を飛び出した。


教室には神楽と妙がいてくれて、私が落ち着くまで聞いてくれて。





「銀ちゃん、こんな別嬪に振り向かないなんて何考えてるアルカ・・・。
やっぱあの天パは脳みそからキてるアルナ」


「そうよ、こんないい子なかなかいないわ。・・・私には劣るけれど」





こんなときでもいつもの調子の二人。

うん、これでいい。これがいいんだよ。

無理だ、所詮社会に出たことのない高校生が、教師となんて。





「ごめんね、妙。せっかく綺麗にしてもらったのに」


「いいのよ。
化粧ならまたいつでもしてあげるわ」


「ううん、もういいかな」





思い出してまた、泣きそうになる。


・・・あんなことするから、期待しちゃうんだよ。

唇に手を当てて、よれたリップを拭う。





「・・・え、もしかしてキスされたアルカ!?」


「え、そうなのAちゃん」


「ごめん、違うよ。
グロスない方がいいって言われて、親指でこう・・・拭われた」


「そこまでするならもう手ェ出せヨ!!」





人相まで変わりはじめた神楽を落ち着かせて、椅子に座る。





「ガキなんだって、まだ」


「あの歳でジャンプ読んでる人に言われたくないわね」


「もう、ほんっとそうだよ・・・」





生徒にいちごみるく奢らせるし、さぁ。





「でも、諦めるつもりないんデショ」


「うん、諦めたくない」


「Aがここまで言うなんて珍しいアルナ。
でも安心しろヨ、私達は応援してるアル」


「・・・神楽、ありがと」







「そうよAちゃん。
私より先に幸せになるなんて許し難いけど、相手がアレなんだもの」

「・・・あのお妙さん本音が」

「何のことかしら?」

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ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて! (2020年9月29日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか? (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぐり | 作成日時:2018年7月5日 21時

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