検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:30,860 hit

vol.13 ページ14

.





(───・・・どうしよう!)





妙にビビり倒して教室を飛び出したはいいものの、先生に会いに行く勇気がない。

せっかく可愛くしてもらったんだから、この状態で会いたいとは思うけど。





(・・・うん、とりあえず一旦屋上行こう)





高杉はさっき、学校を抜け出していったのが見えたから大丈夫。


で、心の準備ができたら、国語準備室に行こう。それくらいなら許されるよね。



勝手に結論を出し、屋上までの階段を登る。





──── ギィ・・・





錆びて重いドアを開けると同時に風が吹き込んできた。





「・・・惜ッしい!あともうちょっとでJKのパンチラだったのによ〜・・・」


「・・・え、」





屋上の硬いコンクリートに胡座をかいて座っていたのは、心の準備ができたら会いに行こうとしていたまさにその人で。





(・・・いや心の準備できてねェェエ!!!!)






煙草を咥えているあたり、煙草休憩か何かで屋上に出てきてたんだろうけど。





「サボりかコラ」


「先生だって同じでしょ」


「俺ァたまたま授業がないだけです〜」





まァここ座れや、と右隣をとんとん叩く先生。

私はド緊張で心臓が口から飛びでそうになりながらも、恐る恐る隣に座った。





「あれ、桜城お前化粧してんのか」


「妙にしてもらったんです」


「だよな、普段してねェもんな。
・・・いいんじゃね、可愛いよ」


「・・・ッ、」





その一言で、一気に耳まで熱くなる。





「でも、俺はこのテカテカしたやつ無い方が好きだな」


「ん!?」





くいっ、とグロスを親指で拭い取られた。





「ん、こっちのが良いわ」





顔が熱い、心臓がうるさい、言葉が出ない。


何か言わなきゃいけないのに、何も言葉が出てこない。





「髪型まで変えてよォ」





先生の手が髪に触れると同時に、思わず肩が跳ねる。





「ったく、好きな男でもできましたか」





否定も肯定もしない私に先生は何かを悟ったのかもしれない。





「ったく、まだ色気付くにゃ早ェんじゃねーの。まだガキなんだからよ」





“ガキ” って部分を強調された気がして。





(・・・あぁ、もうダメだ)





頬に伝った滴を隠すことが出来なかった。





「そうですよね、ガキ・・・ですよね・・・ッ、」


「桜城?」


「好きで先生より後に産まれたわけじゃないのに・・・!」





困らせたく、ないのに。





.

vol.14→←vol.12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
161人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぴえん - えーっ良いところなのに更新停止なんて! (2020年9月29日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
もこす - もしや作者様レドベル知ってますか? (2019年10月12日 12時) (レス) id: fb5dff43fb (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます! (2018年7月18日 19時) (レス) id: 41489a1304 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あぐり | 作成日時:2018年7月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。