お酒の場 3 ページ8
ほとんどの人達の酔いが回ってきた頃、香桃葉もまた、お酒に飲まれていた。
『むむぅ…。すぅーすぅー…』
鬼灯は周りを見渡した後、机にうっつぷして寝ている香桃葉に声をかけた。
「香桃葉さん、起きてください。そろそろお勘定にしましょう。帰る支度をしてください。」
鬼灯が声をかけるも彼女は は〜い というばかりで一向に動かない。
すると
「ねぇねぇ香桃葉ちゃん、僕といいことしよ〜よ〜♪」
白澤が香桃葉に声をかけた。
『…?いいことぉ???』
寝ぼけている香桃葉は白澤の言葉に一応目を覚ました。
「うんそうそう〜いいこと〜♪だから僕と一緒に帰ろ〜?」
鬼灯は2人のやり取りを無言で見つめていた。
『……ん。』
香桃葉は両手を広げて、無言で白澤に抱っこを求めた。
「うん?抱っこして欲しいの???」
白澤はにこにこしながら香桃葉を見ている。
『…立ち上がれない。立たせてくだされ。』
「しかたないですね」
『?…っ!!!!』
白澤にお願いしていたつもりが、彼女を抱っこして立たせたのは鬼灯だった。
『ほ…鬼灯様…?』
「なんですか?私が立たせたのではなにか不満なことでもありましたか?」
『そうではなく…えっと……』
「言いたいことがあるのならはっきり言ってください。」
ー鬼灯に立たせてもらったことで香桃葉の酔いは一気に冷め、上司に情けない姿を見せてしまったことの恥ずかしさ、手間をかけさせたことによる申し訳なさで頭がいっぱいになったのであったー
『鬼灯様、申し訳ありませんでした…。』
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恋歌(プロフ) - これからも頑張ってください!!!応援してます! (2019年3月25日 9時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香桃葉 | 作成日時:2018年8月22日 18時