仕事人間 2〜鬼灯side〜 ページ41
「…そうでしょうね。香桃葉さんはそこが気になっていたんですね。」
つい思っていたことが口に出てしまった。
『え?』
彼女は私の言葉の意味がよくわからないという顔をした。
「つまり、女好きじゃなかったらもっと好きになれたのにってことでしょう?」
つまり貴女があの神獣を好きだということですよ。
と、私は心の中で思った。
『…そうなるんですかね。』
「白澤さんのこと、好きなんですか?」
白々しく私は聞く。
『わかりません。ただ、魅力的な人だなとは思ってます。』
「そうですか。」
なにをいまさら。もう貴女はあいつを慕っているじゃないですか。
そう思っているのに、口から出てくることはなかった。否、出せるだけの勇気が私にはなかった。
『でも、そういえば白澤様と真剣にお付き合いしたことある方って聞いたことないですよね〜』
話を逸らそうとしているのか彼女は明るく言う。
「いえ、そんなことないですよ。キョンシーのチュンさんなんて少し前まで付き合ってましたから。」
私の言葉を聞いた香桃葉さんは一瞬驚いた顔をした、が、すぐにポーカーフェイスを取り戻した。
『そうなんですか。チュンさんも大変だったんでしょうね…』
「まぁそれは否めませんね。」
なるほどなぁ〜 と言っている香桃葉さんに、私は一言付け足した。
「なので、貴女には悲しい思いをしてほしくありません。」
『え?…鬼灯様?』
「もしまだ白澤さんのことを本気で想っていないのなら、諦めることをオススメします。」
『………。』
私の言葉を聞いた香桃葉さんの顔は、まるで出会った時のように曇っていた。
あぁ、本気で好きなんですね。
ーそう思った私は、
仕事頑張ってくださいね、無理しすぎないように と言い残して自分の仕事へと戻ったー
64人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋歌(プロフ) - これからも頑張ってください!!!応援してます! (2019年3月25日 9時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:香桃葉 | 作成日時:2018年8月22日 18時