鬼灯様とデート 4 ページ20
デート という概念が正直なところ私にはよく分からない。
そりゃ現世にいた頃に何度か経験したことはある。
しかし、男性の後ろを歩くばかりでなにかしたいとか言うのはしたことがない。
香桃葉は、現世にいた時は、江戸時代初期の団子屋の娘であった。
父親の計らいでお見合い結婚をし、玉の輿に嫁いだものの彼女の待遇は悪く、死ぬまでお手伝いさんのような暮らしを強いられた。
そんな彼女の働きに感心した鬼灯が獄卒にスカウトして今に至る。
『デート…デート…』
難しい顔をして考え込む香桃葉に、鬼灯は声をかける。
「そんなに難しく考えなくていいです。友人と遊びに行く感覚で大丈夫ですよ。」
鬼灯の言葉を聞いて香桃葉は納得した。
『あ、わかりました。すみません、どうもデートの意味がわかってなくて…』
そりゃ恋人同士が行うことくらいは分かっている。おめかしして、可愛いって言われてきゅんとするという展開も定番。でも、本質的には分からない。
「デートは、お互い好きなもの同士が遊びに行くことです。」
『なにか特別なことをするとかではないのですか?』
「特別なことをしなくても特別に感じるのがデートです。ただ話したり美味しいものを食べたりするだけで、幸せに感じるのがデートです。」
『なるほど…そう考えると今日はデートですね。』
彼女のその言葉に鬼灯は首をかしげる。
『いや、だって鬼灯様とお話しできてとても楽しいですから。それに、当たり前のことを特別に感じられるのがデートなのでしょ?』
ふふふ と笑みをこぼす香桃葉を見て、鬼灯は視線を香桃葉から並んでいる店にうつす。
「貴女のそういう能天気といいますか、天然なところはいささか危ないですね。」
ー鬼灯は自分の中に芽生え始めている感情に気づかないフリをしたー
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長々とした話で申し訳ありませんが、いつも読んでくださりありがとうございます!
作者はこれから忙しくなってくるので更新がなかなか遅くなるかもしれませんが、少しずつでも載せていきたいと思っていますので応援よろしくお願いします!
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恋歌(プロフ) - これからも頑張ってください!!!応援してます! (2019年3月25日 9時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香桃葉 | 作成日時:2018年8月22日 18時