出会い ページ2
鬼灯様から仕事を頼まれた。
内容は桃源郷にある白澤様のお店から、頼んである薬をもらうということだ。
『まったく…。鬼灯様自分が嫌なことばっかり私に頼むんだから…。』
新米の私でも、鬼灯様と白澤様の仲の悪さくらいは聞いている。なんでも、似てると言われたら怒るとか。
『まぁ、怒るとかなんとか言わなくてもしょっちゅう大王様に怒ってるから慣れてるっちゃ慣れてるけど。』
そんなことをぶつぶつ言いながら歩いていると白澤様の居る(であろう)薬屋さんにたどり着いた。
カランッ
ドアを開け、辺りを見回しながら声を発する。
『お邪魔します。白澤様はいらっしゃいますか?』
すると、
「はいは〜い♪僕だけど、お嬢さん何か用〜?」
白い服を着た鬼灯様みたいな人が現れた。
「見ない顔だねぇ〜でも全然大歓迎だよ!この後暇?ちなみに僕は暇だよ♪」
そういいながらその人は私の手を握った。
『申し訳ありませんが、この後も仕事が残っていますので。今も仕事中ですし。』
「そっかぁ〜残念♪」
『ところで白澤様、鬼灯様から頼んだお薬を、とのことなのですがもう出来ていますか?』
鬼灯という言葉を聞いて、彼の顔は嫌悪に満ちたものに変わった。
「あ〜…あの薬ね。はい、これだよ。」
そういいながら白澤様は私に薬を渡してくれた。
『ありがとうございます。ではこれで失礼します。』
そう言って出ていこうとすると…
「待って待って!!君名前は?所属は?いくつ?出身どこ?僕とお話しない!?」
『…一気に言いましたね。私は、香桃葉です。閻魔大王様のところで、第二補佐官をやっています。』
「へぇ〜あいつの下で働いてるんだ。香桃葉ちゃんも大変だねぇ〜」
白澤様は腕組みをしてうんうん頷きながら言った。
『大変…なんですかね?私は割と楽しいです。では。』
「あっ!ちょっ…!!」
白澤様が引き止めようとするのも気に留めず、私は地獄へと帰っていった。
「…ふぅ〜ん。あの子が香桃葉ちゃんかぁ〜♪」
ーこれが香桃葉と白澤の出会いであったー
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恋歌(プロフ) - これからも頑張ってください!!!応援してます! (2019年3月25日 9時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香桃葉 | 作成日時:2018年8月22日 18時