[弱]婚約否定権【赤司征十郎】

堅物紳士君１ ページ10

・
｢じゃあ行ってくるね｣


『いってらっしゃい』






朝練のある征十郎さんを
玄関で見送った後､

私も 学校に行こうと鞄に手をかける



〜♪〜♪



んっ？電話だ
誰からだろ…？

急にポケットの中の携帯が鳴り出した







『樹希斗…？』






ｼﾞｭｷﾄ
樹希斗は副会長

いつも隣でいる紳士さん

だいぶ堅すぎるけど
と言うか可笑しい←







『もしもし』


｢あ､A様ですか！？｣


『え､うん…』







何でこんなに焦ってるの…？







｢今すぐ学校の方まで来てください
問題児を捕まえております！｣


『えっ本当！？
すぐ行くから待ってて！！』


｢はい､A様の為ならいくらでも｣


『じ､じゃあいくから！』







樹希斗に呆れながらも
車を出してもらい学校まできた



車で来るのは２回目
だからか周りがざわついている







『皆さん､おはようございます！

用があるので
通してもらえますか！？』







人混みをかき分けて
正面玄関まで走る

途中挨拶を返しながら
頑張って走った








｢A様！｣


『あ､樹希斗！』


｢こちらです｣







何故か手を引かれ､
生徒会室の前まできた


ガチャとドアが開いて､
ソファに座らされている男子生徒４人

染められた金髪に派手なピアス
高速違反のアクセサリーや色のついたシャツ

明らかに怖そうな顔







｢どうしますか？｣


『………』


｢A様…？｣








どうしよう
退学や停学にならできるけど…

あ､そうだ…








『貴方達』







正面から向き合う







｢あぁ？なんだよ
どうせ退学か停学だろ？｣


｢するなら早く終わらせてくんね？｣








退学や停学にさせるわけない

親が頑張って働いたお金で
学校に通っているんだよ








『いえ､退学や停学にはさせません』


｢は？｣


『貴方達にはここで
学校生活をおくる義務がある

退学や停学にしたって
また同じことを繰り返します』


｢分かってるじゃねぇか…｣








それくらいお見通しなんだけどなぁ…









『だから､身だしなみを整えてください


その髪を元の色に染め直して

ピアスやアクセサリーも
一切つけることがないように

シャツは学校指定の色を身に付けること


そうすれば今回は見逃します』


｢っ､A様！？
それで彼たちがやめる訳がありません！｣







その言葉に少し笑みを零す







『それでやめてくれるなら
私も苦労しません』


｢え､…？｣


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