[弱]婚約否定権【赤司征十郎】

胸が痛いよ１ ページ30

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赤司side






急に帝泉の青蓮寺の方から
練習試合の話を持ちこんできた

彼は副会長でもあるため顔見知りではある


そして帝泉バスケ部も弱いわけじゃない
実力を試すにも丁度いいくらいだ


そう、軽い気持ちで組んだのが
間違いだったのか？

僕としたことが。








『はい､私です』







桃井の問いかけに姿を現したのは
"あの"Aじゃないか


数日前までAはバスケについて知らなかった
興味を持っていたのは確かだ

帝泉の生徒会長がマネージャー？
ありえない。

忙しくて放課後だって仕事もあるだろう


色々な考えが募っている中、
僕の視線は1点に定められた








｢は…？｣








眉を顰める

その光景を見た瞬間とても痛かった
胸の辺りがズキズキして、

こんな経験は初めてだ


涼太達がAを囲んで騒いでいる中、
次々と嫌な考えが浮かぶ


今すぐ話をしたかった

心は乱れていても、
表にはきっと出ていないはずだ








｢白星さん｣








僕が話しかけると
周りの奴の視線もこっちへ向いた


当の本人は驚いている

きっと"白星さん"と呼んだことだろう

普段はAと呼んでいるが
流石に同居生活を送っていることがバレると面倒だ








『…なんですか？赤司君』








冷静さを保ったな

"赤司君"は気に食わないが
合わせてくれたのには感謝する








｢大事な話がある｣


『話ですか｡では場所を変えませんか？』


｢そうだな｣







と、行こうとしたが








｢大事な話ってなんスか〜？｣


｢なんだ赤司､告白か？｣








馬鹿な奴らだ…と思いつつも







｢生徒会長同士の会話だ
お前達には関係ないだろう？｣







生徒会長だったのか！？

と騒いでいるチームメイトを置いて
また体育館の扉の方へ歩いて行こうとしたが







｢A様､
ご一緒させてもらってよろしいですか？｣








次は君か、青蓮寺…。








『大丈夫だよ､樹希斗』


｢そうですか？何かあればお呼びください｣


『うん！』








そのやり取りを見ていると腹が立つ

今心が痛いのは2人のせいだ



僕はどうしてしまたっんだ？









｢………っ｣








体育館裏へと続く扉を
つい､荒々しく開けた


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