【カゲプロ】桜と夏の人魚姫【セト】

桜花63 ページ21

「マリー？いる？
新人ちゃん連れてきたから、話してみなよ」



私の部屋の隣、ピンクの花形のプレートの下がるドアの向こう、



「ひぃっ！？あ、新しい人…！？
む、無理無理無理！いや！」





力一杯私のことを拒否するマリーという女の子の声が廊下に響いた






「まーまーそんなこと言わずにさあ！ね？」




カノが部屋のドアに手をかける







と、その時







「何してんすかカノ！マリー倒れさす気っすか？」





カノの手を掴んで引き戻す、カノよりも少し大きな手





困ったような怒ったような顔をしたセトが、カノと私を交互に見た




「セト！だってマリーがまたお得意の人見知り発揮してるから、少しは直さないとなーって」




「やり方ってもんがあるっすよ！俺が話してくるっすから、二人はここで待ってて欲しいっす」






そう言ってセトは中に入っていく





しばらく二人の話し声が聞こえた後、白いモコモコの長髪の少女とセトが部屋から出てきた





「…っ」






ズキン。







二人の姿に、胸の奥がそんな音を立てて痛んだ

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