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「 えっ、いま、くち、 」
「 〜〜っ、ちょ、いまこっち見んな 」
「 !治くん、顔、あかい、よ? 」
「 …揶揄う悪い子はこうしてやるわ 」
「 ちょ、苦しい〜!!! 」
ぎゅう、と抱きしめてくる治くん
家の前にも関わらず抱き合っていた私たちに水を刺したのはガチャリと開いた私の家のドア
「 A?帰ってきたなら入れば……って、あ、 」
「 …お、お母さん、 」
「 ………もしかして… 」
「 えと、その 」
恥ずかしさでお母さんの顔が見れない
その時治くんがわたしの頭を一撫でしてからお母さんの前に一歩出た
「 さっき告白して付き合いました。稲荷崎2年の宮治です。…夜遅くまで娘さん、借りててすんません 」
ぺこ、と頭を下げる治くんを固まって見つめるお母さん
.
「 お、おとーーさーん!!!Aが!!彼氏連れてきた!!! 」
「 何やと?!?! 」
「「 えっ、 」」
付き合って早々目まぐるしく動く展開に当人である私たちはついていけない
.
「 なんや、賑やかな親御さんやな 」
「 ふふ、そうかな? 」
家に上がってもらって私の部屋でゆっくりする私たち
ふと視界に入ったのは治くんのものであろうキーケース
.
「 治くん、落とし物ですよ? 」
「 ほんまや、ありがとさん、てかなんで敬語? 」
「 最初の出会いもこうだったなって思って 」
「 せやなあ、俺好きになると思わんかったもん 」
「 なんで好きになったの? 」
「 ………秘密 」
「 なんでなん〜! 」
下からお母さんがご飯よと呼ぶ声がする
立ち上がって降りようとすると後ろからぼそっと呟かれた
「 強いて言えば落とし物やな 」
「 どゆこと…? 」
「 分からんでええで 」
「 え〜! 」
銀髪の彼とは落とし物が出会いの始まり
多分これからも落とし物するんだろうね、治くん
〈落とし物ですよ〉
【完】
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Mio☆(プロフ) - この作品自分得しかなくてやばいですわ(語彙力)ホントもう最高です!治くんは最推しなんで嬉しすぎます!これからも色んな作品頑張ってください! (2020年8月7日 1時) (レス) id: 9e6d898a3b (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - ゆい。さん» コメントありがとうございます…!好きと言ってもらえてとても嬉しいです(o^^o)応援ありがとうございます! (2020年6月13日 14時) (レス) id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい。(プロフ) - 更新お待ちしておりました …!!!!!好きです!!!!心身共に無理のない範囲で更新頑張ってください、応援しています (2020年6月4日 19時) (レス) id: e77c7b5ce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仔犬 | 作成日時:2020年5月22日 15時