橋から落ちて目が覚めたら、世界一危険な街に来てしまった件について【文スト】

2話 ページ7

「おーけーおーけー！！！
よくここまで来れたね！！！

君の体の年齢は16歳！
わぉ！ピッチピチだね！！！

君へのお助けアイテム、役立ちそうかな？！
日本刀はある由緒ある刀だから大事にしてあげて！！
机の上の自動拳銃はただの側だけだから安心して！ハッタリに使うように！！

それから机の天板にくっついている引き出しの左側、そこに通帳とそのパスワードを入れてるよ！

それじゃ！本格的な異世界ライフ楽しんでね！！」

先程とは違い、少しは何かを色々抑えたようだが、ややこしいものを与えてくるなと言いたい。
つか16歳て、ナオミちゃんよりも年齢下やないか！！！
手紙をポイと机に投げ、引き出しを開けると、手紙の通り通帳が入っていた。
そして通帳を開いて目を丸くした。

『……に、におくえん…？』

あまりにも桁が違いすぎるため、数え間違えかと思ったが、そうではないらしい。

『いやいやいや前世の貯金の100倍ですけど！？』

いやほんと何考えてんのあの女神！！
ばか？！馬鹿なの？！そんなに私を危険の渦の中に放り込みたいの？！！？
こんだけあったら贅沢しない限り働かなくても生きていける……。

『……有難く使わせてもらおう、洗濯機も冷蔵庫も何もかも無いみたいだし……』

とにかく銀行へ向かって何万円か下ろしてこよう。
流石に無一文は駄目だ。
いやでも今この姿……子どもの姿じゃ怪しまれるな……。

パンが無いならケーキを食べればいいじゃない。

ふと仏國(フランス)の某お姫様が言った言葉を思い出す。
あぁ、そうか、異能力で大人の姿にすればいいんだ。
前世の大人の姿を思い浮かべると、すぐさま目線が高くなった。

『……今世でも身長だけは伸びて欲しい。身長だけは』

通帳とパスワードをポケットにしまい、部屋を出ると、ばったりと出会ってしまったのだ。
そう、ばったりと。

？「あ、こんにちは」
『……こ、こんにちは…』

あの世界の主人公である、人虎こと、中島敦君に。

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