橋から落ちて目が覚めたら、世界一危険な街に来てしまった件について【文スト】

10話 ページ35

乱「ちなみに犯人は？」
『えぇと、憶測があってるかわからないので、せーので言ってみません？』
乱「いいね、じゃあいくよ、せーの、」

乱「『床元 八雲/さん』」

『やっぱり、』
乱「根拠は？」
『お風呂掃除と、ダイイングメッセージ、ですかね』
敦「お風呂掃除……ですか？」
『着いた返り血を落とせますし、服にかかっていないからきっとゴミ袋でも着てたんじゃないでしょうか？
あとは、牡丹とK。
牡丹は酒井さんでは無く、きっと服の釦のことを表したかったんでしょうね、単なるKと書き残すと、イニシャルだとかに思われますし、梅沢さんの下の名前、香織ですから』
乱「他には？」
『えぇと、あとは…あ、未だに腕まくりしてた事、です。お風呂掃除をして濡らしてしまったと言えばそれで追求は済まされるのでしょうけど、私には袖口に着いた血痕を隠す為だと思いました。これは単なる勘ですけど…』
乱「……ふふん、成程、まぁ及第点ギリギリかな！」

勝手にハードル上げたのそっちじゃないですか。
と口に出かけたのをキュッと我慢した。
と言うかいつ超推理発動させたんだろう。
私が気が付かなかっただけだと思うけど。

乱｢素人にしては頑張った方だからね！追求は僕がしてあげるよ」
『してあげるよって、私にさせようと思ってたんですか！！』
箕「おい、そろそろいいか」

箕浦さんが呼びに来た。
リビングに戻り、乱歩さんが一人椅子に座る。

乱「じゃ、そろそろ始めよっか」

おおぅ、なんかドキドキして来たぞ。
目の前で名探偵の推理を見る事なんて無い筈なので、貴重な体験だ。

乱「まず最初に、被害者を殺したのは、君だ」

そう言いながら床元さんの方を指差す。

床元「え、ま、まさか、私が旦那様を殺したって言うんですか？！」
乱「うん、そうだよ｣
床元「理由、理由はなんですか！」
乱「うるさいなぁ、今から説明するからちょっと黙ってくれる？」

いつもは細くなっている目が開かれて、ライトグリーンの瞳が床元さんを睨み付けた。
その目に睨まれて床元さんがグッと押し黙った。
……乱歩さんかっこよ……。

乱「ダイイングメッセージ、君の今のその格好、あとは、その靴の黒いシミかな」

靴のシミと聞いて目線を靴に落とすと、確かに元々が黒くて見えずらいけれど、点々と何かがこびりついている。
き、気が付かなかったァ！！

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