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目の覚めない世界 カノside ページ5

メカクシ団に運ばれてきた少女は、
おそらく僕たちと同い年だろう。


黒くて長い髪、そして左手首についた模様。


どこかで、見たことがある。


静寂を、ドアをノックする音が遮った。


キド「入るぞ」


カノ「うん」


キド「まだ目を覚まさないのか」


カノ「そうなんだよね……ねぇキド」


キド「ん?何だ?」


カノ「この子さぁ……どこかで見たことない?」



キドは考え込むかのように黙り込んだ。



キド「……言われてみればそうかもな」


カノ「やっぱりそうだよねぇ!?誰だろ?」


キド「誰だったけなぁ……」



カノ「ところで、さ。この子、目が赤くなって
たんでしょ?だとしたら、何の能力かなって」


キド「それこそさっきキサラギが言ってた
『目からビーム』じゃないのか」


カノ「もしそうだったら今頃遊園地破壊されてるよwww」


キド「だとしたら他に何がある?」


カノ「目を……。うーん、分かんない」



キドの長いため息とともに、その子は
目を開けたんだ。



A「……あれ」


キド「……大丈夫か?」


カノ「名前は?」


A「A。……って!皆、大きくなったね!」


キド「……え?」


A「ぇえ〜?覚えてないの?学校でさ!」


……誰だったっけ。
うん、確かに学校で会ったんだと思う。


学校に馴染めず学校をやめた僕たちを、
ずっと見ていてくれた気がするんだ。


でも……


そこで何をして、何を話したのか。
どんな表情を見せ合ったのか。


そんな記憶、僕には無いんだ。


「記憶喪失」と名前を付けたいけれど、
きっと違う。

僕が勝手に忘れたんだと思う。


辛い過去を、無かったことにしたんだ。


それも、学校に行っていた時期の記憶を。


もし、そうなら。
Aと名乗る目の前の少女に、僕はどんな
顔をしたらいいのか。

どうやって話しかければいいのか。


「合わせる顔がない」


まさに、このことなのだろう。


ねぇ、君は一体誰なの?


僕らとどんな関係にあるの?


僕はその記憶を失くした。


だから、君と僕らがつむいだ物語を、
教えてよ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
更新遅くなってすみません!

ペースは遅くなると思いますが、諦めずに更新していこうと思うので、

これからもこの作品をよろしくお願いします!

4月30日
ゆった

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作者名:ゆった | 作成日時:2015年3月28日 22時

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