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声が聞こえる ページ2

空から、声が聞こえる。

私の能力は「目」には関係ない。
……でも、目が赤くなる。
そして、向こう側の世界の人たちと話せる。

それは、私の一族の生まれつきの特殊能力だ。
昔からそれを面白がって私達を消そうとする
人たちがいる。

目を見られたら、この血筋は途絶える。
私がその一族の末裔(まつえい)だから。

「空からのメッセンジャー」


それが、私の家系に代々伝わる呼び名だった。

誰かをなくして、悲しんでいる人に、
空からのメッセージを伝えてあげる。

それには制限があって、
話せるのは一回だけ。

例えば、
Aさんが、BくんやCさんを亡くし悲しんでいる。
AさんはBくんと一回、Cさんとも一回ずつしか
メッセージを伝えることは出来ない。

私がさっき話してた相手と話すのも
最初で最後。

役割を果たせば、もう話せない。


「皆」のところに私を案内する


それが彼女の役割。

「皆……ちゃんと笑えているかな」


辿り着いたのは、大勢の人が賑わう遊園地だった。
現在能力を使っているので、赤い目を見られないよう、パーカーのフードをかぶる。

「本当に、ここであってる?」

「うん!皆を見つけるまでが、私の役割だよ!」

色んなアトラクションを見てまわる。

「あっ!あそこ!水色のアトラクションの前!」

「あの子?」

「うん!その子、『皆』の仲間だから、
『皆』にたどりつけるよ!」

「そっか……。うん、ありがとう、"アヤノ"
また、誰かに繋ぐ時連絡するね」

「こちらこそ。また君と話せて良かったよ!
Aちゃん!」

「じゃあね!またいつか!」

さて……と、
どこか座るところないかな?

この能力には難点がもうふたつあって、一つは

通信が途絶えた時に激しい頭痛が
襲ってくること

しばらくしたらおさまるんだけどね。

もう一つは、

通信が途絶えてから1時間経つまで、
目は赤いままだということ。

頭痛でしゃがみこんでいたらいけないんだ。

私の目を他人に見せてしまうから。

この少年…情けないな←→←「私がついているから」



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作者名:ゆった | 作成日時:2015年3月28日 22時

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