検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:82,986 hit

ページ36

城に着くと、門の所にまふくんがいた。まふくんは私を見てぎょっとした顔をすると、すぐに駆け寄ってきてくれた。


「え、ちょ、A!?なんで泣いてるの、何かあった?」

『うううう、まふくんんん』

「あわわわ、泣かないで。と、とりあえず会議室とか使って話聞く!こっちおいで!」


まふくんは私の手を握ると、騎士団本部まで手を引いて走った。そのまま空いている会議室に二人で入ると、イスに座らせてくれた。


「何があったのか話せる?」


イスに座る私に目線を合わせるようにしゃがんでくれる。私はうらたさんとの事を素直に話した。するとまふくんは微妙そうな顔をして、頭を掻く。


「あー、うらたさんやらかしてるなぁ」ボソッ

『え、なんて?』

「いや、何でもないよ!とにかく、うらたさんが最近冷たいと」

『うん。私の事、飽きちゃったのかなって……』


そう言葉にするとまた悲しくなって、涙が滲んでくる。まふくんはそんな私の頭を優しく撫でてくれた。彼の方を向くと、柔らかい笑顔で私に言ってくれた。


「あのね、A。うらたさんは多分、言葉に出来ないくらいAの事が好きなんだよ」

『そ、そうかな……』

「うん。不安だろうけど、大丈夫だよ」


まだ心にチクチクしたものは残っていたが、多少は楽になった。まふくんにありがとうと感謝の意を伝えると、落ち着いたら任務来てね、と言って会議室を出て行った。









まふまふが会議室の外に出ると、ちょうど浦島坂田船で集まって談笑していた。まふまふはそこに歩み寄り、うらたの肩を少し強めに掴むと、ぐいっと耳元に顔を寄せ囁いた。


「ぼーっとしてると、A、盗っちゃいますよ」


そう言ってその場を去る。うらたは酷く焦った表情で去るまふまふの背中を見つめていた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
269人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , うらたぬき
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。