156話 ページ25
時は過ぎ、半年後。私が入団してから一年が経っていた。
私は姫様を守った功績もあってか、少佐から大佐に昇格していた。
そして今日は、年始の騎士団の入団試験の日。そう、今日から私は先輩と呼ばれる立場になるのだ。
『みなさんこんにちは、ノルディ騎士団大佐のAです』
今日は騎士団長に頼まれて、試験官を務めさせていただく事になった。
『突然ですが、みなさんには大切な人はいますか?』
私達試験官の話を怠そうに聞いていた受験者の人達がこちらを向いた。私は更に続ける。
『時にはその大切な人を守りきれない時もあるかもしれない。けれど、君が諦めなければ、必ず助ける事ができる!』
私が、うらたさんを助けられたように。諦めなければ、救いたいという意志があれば、誰でも強くなる事ができる。誰でも大切な人を守れる騎士になれる。
『もし君が挫けそうになっても、仲間が支えてくれる。君は……一人じゃない!』
以上です、と台の上でお辞儀をして、台を降りる。ほっと胸を撫で下ろすと、騎士団員が並んでいる列にいるうらたさんと目があった。
ちなみにうらたさんも昇格して少将となり、今回も試験官を務めている。
「中々良い事言うじゃん」
『伊達に修羅場くぐってきてませんからね!』
「ははっ、確かに。受験生の心には響いたんじゃねぇの?」
と言って頭を撫でてくれた。嬉しくてそのまま撫でられ続けていると、同じく去年も試験官を務めていたまふくんがわざとらしく咳払いをした。
「……みんな見てますよ、いちゃつかないで下さいよ」
「『ご、ごめんなさい……』」
顔に熱が集まるのがわかる。恥ずかしい……。まふくんは台の上に立つと、大きく息を吸った。
「では。これより、ノルディ騎士団入団試験を、
開始する!!」
【未来へ】Fin
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時