106話 ページ21
『へ、ちょ、センラ……?』
「…………」
私の上にのるセンラは黙ったまま、掴んでいる私の手に指を絡ませてきた。
センラの目は、熱を帯びたようになんだかぼんやりとしている。
『な、何してるのセンラ』
私が呼びかけても、センラは口を開かずこちらを見つめてくるだけ。
気まずい雰囲気に耐えられなくなった私は、センラから目を反らした。
するとセンラは、私と手を繋いでいない方の手で、私の頬を包んだ。優しく、けれどしっかり自分の方を向かせるように頬を触る。
少しくすぐったくて、頬を触っているセンラの手の上に、自分の手を重ねた。
『っ、セン、ラ?くすぐったいよ……』
私がそう言うと、センラはガクッとうなだれ、ふるふる震えだした。
そして、
「っだー!!ダメやこんなん!!!」
と天井を見上げて叫ぶ。
そして、私から手を離し、上から退くと、ソファに寝転がっている私を起こしてくれた。
「ご、ごめん急に、変なことして」
『や、別に大丈夫だけど……』
ちょっと状況が理解できない私は、頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら首を傾げた。
センラ、本当に大丈夫か?(汗)
さっきより顔赤いし。
「Aちゃん可愛すぎて、なんか調子狂ったんよ……。だから、体調悪い訳ちゃうんや。むしろ、Aちゃんとダンス踊りたいって言うかなんて言うか……」
かわいい、と言われ体の体温が上がるのが分かる。かわいいなんて、中々言われた事無いから、改めて聞くと恥ずかしい。
「せやから、Aちゃん。改めて、
俺と、俺のパートナーとして、ダンスを踊ってくれへん?」
そう言って緊張した顔持ちで手を差し出してくるセンラ。
『……もちろん。よろしくね、センラ様』
私は微笑み、差し出されたその手を、取った。
ラッキー歌い手
うらたぬき
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神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ただいまでーす!続きはお楽しみに(*´∀`) (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 絢乃さん» わーありがとうございます!ただいまです! (2019年6月1日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 - おおーーΣ(゜Д゜)いっぱい更新されてる!お帰りなさい。お疲れ様で〜す。続きが凄い気になる!頑張って下さい!! (2019年5月31日 23時) (レス) id: feeb429954 (このIDを非表示/違反報告)
絢乃(プロフ) - お帰りなさいです!テストお疲れ様です! (2019年5月31日 23時) (レス) id: 2caae02809 (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 嶺音さん» ありがとうございます!頑張りますよぉぉお!!!(*゚∀゚) (2019年5月14日 6時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年4月21日 20時