青葉城の黒魔女、その噂【ハイキュー】

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「誰か！外に誰かいませんか！？」





いくら叫んでも人の気配は無い。

普段人が通らないうえに、ほとんどの生徒は下校している。



あまり声の張ることのない私の大声に、及川さんは驚いたようだった。






どうしよう、どうしよう、



今はとにかくこちらから外にかけられるアクションは無い。


部活中だったから連絡手段も持っていない。





「！ ⋯と、とにかくテーピングしましょう！」



及川さんの前にしゃがみ、腫れてきた彼の赤い足首を新品のテープで巻く。




勉強のために自分で自分に巻いたことはあったが、人にやるのは初めてだ。


お世辞にも綺麗とは言えない見た目になっていき、巻きながら焦りがつのっていく。







「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい⋯」






私のせいで、ごめんなさい。


ごめんなさい、ごめんなさい






これは呪いだ。

あなたを呪ってしまった。




私があなたに近づいたから 近づかなければ、




「⋯Aちゃん？」




バレーができなくなったらどうしよう、

彼のバレーの邪魔をしてしまうことになったら

彼のバレーの道を閉ざしてしまったら





私が何より憧れて、大好きな、あなたのバレーを





「ごめんなさい⋯！」










魔女のくせに、あなたに近づこうとしてごめんなさい。

近くで応援したいだなんて、思ってごめんなさい。

あなたの隣に並ぶ百合さんを、羨んでしまってごめんなさい。



あなたを好きになってごめんなさい。





視界が滲んで手元がろくに見えなかった。


上手にテーピングも巻けなくて、ごめんなさい。





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