【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

お昼寝して下さい！2 ページ10

途方に暮れていたその時。教室の入り口からひょこっと顔を覗かせてきた人物がいた。永倉先生だ。


永倉:実希先生、やっぱり今日もダメだったのか？

貴方:永倉先生…。その通りです…

風間:ながくら、かってにきょうしつにはいるとはぶすいだぞ！

土方:じゃまだ、でていけ

貴方:こら！

永倉:ったく、お前たちは本当に実希先生大好きだよなぁー。けどよ、お前達は大好きな先生を困らせてーのか？

原田:んなわけあるか！

永倉:なら、お前達は早く布団入って寝ろ。じゃねーと、いつまでも実希先生は困ったまんまだぜ？

3人:……


永倉先生に反発していたけれど黙り込んでしまった3人。これは…効果あったかな？


土方:…わーったよ、ねりゃいいんだろ。ねりゃ

風間:ながくらにいわれたのがきにくわぬが、せいろんをいわれてはしかたあるまい

原田:だな。けどせんせ、そのかわりおきたらたくさんはなしてくれるよな？

貴方:勿論、約束するよ。ニコ

原田:じゃあ、おれねるわ。おやすみ、せんせ

土方:おやすみ…

風間:またあとで、だぞ！


そう言って、3人は自分の布団に入ってくれた。暫くして寝息が聞こえてきたことから、ちゃんと眠ってくれたのだと分かった。


貴方:良かった…。永倉先生、ありがとうございました。毎回毎回…すみません…。

永倉:良いってことよ。それにしても、実希先生が羨ましいぜ。あんなに生徒に好かれるなんて、教師冥利ってもんだな！

貴方:はい、本当に…。出来るなら、私はあの子達の願いを全部聞いてあげたいんです。だから、いつもこの時間は心苦しくて…


そう言いながら、私は1番近くで寝ている左之君の所へ行き、頭をそっと撫でてあげる。とっても穏やかな顔をしてて、自然と笑みがこぼれてしまう。


永倉:先生は先生らしくいりゃ良いんだよ。こいつらだって来年の春には卒園だ。何でもかんでも思い通りにはいかねーって、そろそろ教えてやるべきだろ。

貴方:そうですよね…。永倉先生、本当にありがとうございました。

永倉:おう、また何かあったら呼んでくれよ。じゃ、あとでな。

貴方:クスッ。はい、分かりました。


そのまま永倉先生は雪組に戻って行った。


貴方:卒園…か…


まだ実感は沸かないけど、そう考えると寂しく感じてしまう…。山崎先生も、去年こんな気分だったのかな…。なんて、まだ先のことを考えてしまう私でした。

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