【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

お遊戯会に向けて ページ32

お泊まり会が無事終わり、季節は9月。保育園の一大イベント、お遊戯会まで残り2ヶ月となった。

この日休日だった実希は、お遊戯会の演目を何にするかで頭を悩ませていた。テーブルの上や周りには参考資料が乱雑に置かれていた。


山南:確かに悩む気持ちは分からない訳ではありませんが…。実希は前にある程度決めてあると言っていたではありませんでしたか？


そう。このことは運動会が終わった後、実際に永倉や山崎にも話していたのだ。確かに、ある程度は決めていた。けれど、やはり最後のお遊戯会に相応しいのはどれなのかと考えあぐねている内に、どんどんお遊戯会が近付いてきてしまっていたのだ。


貴方:そうなんだけど…。6歳児は劇とダンスの2種類に分かれるの。劇はまだ良いんだけど、ダンスが…。

山南:男女混合なんですか？

貴方:そうなの！男女混合って本当に難しくて…。去年もこれで悩んだけど、今年も悩むことになるなんて…！


そう叫びにも近い声を上げながら、実希はひたすら本を読んだりネット検索をして探す。敬助は机の上に置かれていた彼女のメモを取り、その内容を読んだ。


山南:劇は白雪姫、シンデレラ、長靴を履いた猫。ダンスは☆☆☆か○○○ですか。良いんじゃ無いですか？

貴方:ほ、本当に…？

山南:えぇ。実希らしい選曲で、私は好みですよ。劇の方も有名な童話ですし、子供達も分かりやすいのでは無いですか？


確かに敬助が言った通り、中々の選択をしていると思えた。けれど実希が本当に気にしていたのは、そのキャスティングだった。


貴方:桜組合計32人。それを2:1に分けなきゃいけない。もしその基準に満たさなかったら喧嘩が起こる可能性もあるわ。私はそれが不安なの…。

山南:大丈夫ですよ。ちゃんとお互いの良い部分を説明すれば、考えている通りに動きますよ。自信を持ちなさい実希、何年その子達と一緒にいたと思っているんですか？

貴方:敬助さん…。ごめんなさい…ありがと。ニコ

山南:無事成功することを祈っていますよ。ニコ


そして実希はメモしていた名前に丸をつけ、早速丸をつけた物に合った衣装を探し出した。明日からお遊戯会の練習が始まろうとしていた…。

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ダンスの名前は曲名の著作権上、敢えて書きませんでした。後々衣装デザインは本文に書きますが、大人っぽい感じの物をイメージして頂けたら良いかと思います。

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