【薄桜鬼】私立薄桜保育園へようこそ！

3＋1＝0！？ ページ7

朝の読書タイムが終わったら、今度はまた教室を仕切って桜組だけの時間。ここからは予め私達先生がその日何をするかを決めてあるので、それを行います。桜組は来年小学生になるので、極力小学校の日課表に近づけるように組んでいます。と言う訳で、今日のこの時間は算数のお勉強です！


貴方:はーい、じゃあ皆こっちを見て。今から皆はお買い物をするから、先生の質問に答えてね〜

園児達:はーい！


返事をもらった後、私はホワイトボードに蜜柑と桃のカードを貼っていく。今日は算数の中でも基本中の基本、たし算を勉強していきます。いかに飽きずに教えられるか、ここ大事です。


貴方:それじゃあ、皆は果物を買いに行くことにしました。果物が売ってるお店はどこかな？

土方:やおやだろ

貴方:そうだね！八百屋さんに到着した皆は、美味しそうな蜜柑と桃を見つけました。そして、その蜜柑と桃を買って帰ることにしました。

原田:せんせー、それみかんじゃなくてデコポンじゃね？


う…こう言う触れて欲しくないような細かいことに気付くのも子供ならではって感じだよね…。でも今は置いといて…


貴方:デコポンに見えるかも知れないけど、これは蜜柑だからね！さ、蜜柑と桃、何個買おうかな〜？

女園児:みかん3こー！

女園児:わたしもも1つほしいなぁ！

貴方:うん、じゃあ蜜柑3個と桃1個買うことにしようね。それじゃあ、蜜柑3個と桃1個、全部で皆は果物を何個買うことになるかな？


そう言って私は、分かりやすくする為に蜜柑のカード3枚と、桃のカード1枚をわざと横に並べた。これで素直に4！と言ってくれれば何の問題も無いのだけど…。そういかないのが子供だ。


女園児:えーと、みかん3こともも1こだから…

原田:おれもうわかったぜ！

女園児:え、さのくんすごい！いくつ？

原田:がんばってじぶんでかんがえろよ

女園児:えー…


今は5人1グループで座らせている為、皆で相談しながら考えることが出来る。これは、小学生になった時の話し合いなどに繋がるようにする狙いがあります。っと、トシ君が「分かって当然だ」みたいな顔つきでこちらを見てる…。そろそろ答え合わせをしようかな。


貴方:さ、答え合わせしてみようか。皆で声を合わせて言おうね！せーの！

園児達:4こ！/0だ！

シーン……


聞こえてきてはいけない数字が出てしまった…。この一瞬で教室が静まり返る。その静けさは、多分保育園に園児が誰もいない時のような、それぐらい静かだった。

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