【観音坂独歩】愛と呼ぶには無理がある【ヒプマイ】

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独歩視点


連絡を受け説明を聞いて

少しの期待と大きな不安を抱えて病院に向かう



病室を覗くと、彼女は1人で窓の外を眺めていた


家族がいたらどうしようかという不安はなくなったが

これで今から帰る言い訳は全部なくなった

…いや、そんな情けないことは言ってられない

行かなくては…




『あの…成海さん…』



「え…」



病室に入る俺にびっくりした様子で固まる成海さん

いつもと違う無造作な髪が視界でふわふわすると

今朝のことを思い出し

思わず目を逸らしてしまう




「どうして、ここに…？」

『先生が、連絡くれたんだ…迷惑かなって思ったんだけど』


「迷惑なんかじゃありませんよ、嬉しい」



いつも通りの柔らかい笑顔を見せられると

どうにも気が抜けてしまう



「そう言えば観音坂さん、昨日の事なんですけど…」

『え！！あ、そ、その説は誠に申し訳ありませんでした…！！』

「え、え…！」



深くお辞儀をするも彼女は慌てた様子で顔を上げるように促してきた



『い、家に上がらせていただいたところから記憶がなくて…あんまり飲んだつもり無かったけど酔ってた…かな…あの、酔った勢いでそんな行為に出ていただなんて恥ずかしい限りで！成海さんの体に何かあったらと思うと……！』



慌てて弁解する自分はきっと情けないことになっているんだろう

恐る恐る顔を上げて彼女を見ると

ポカンとした顔で俺を見ていた



「えっ…」

『…え？』




「…ふっ、ふふ、あはは」


『えっ！？』


急に笑い出す彼女に戸惑っている俺と

少し涙ぐんだ目元を拭いながら笑う成海さん



「ちゃんと説明しますね？」

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