あんスタ【もう1人の転校生】3 (ページ33)

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第112話ページ33

瀬名｢～♪｣

朱桜｢～♪｣

鳴上｢～♪｣

瀬名｢ちょっと待って。カサくん！音程違うんだけど～？｣

ラジカセの音楽を止め、指を指しながら瀬名は怒鳴る。すみません！と、朱桜は頭を下げた。

誰よりも注意され、怒られ、汗を人一倍かいている。

何度も求められ、朔間弟もウンザリしているようだ。それに、月永も久々なので今の現状を把握していないのだが…同じところで何度も止められ、持つペンが小さく揺れている。貧乏ゆすりだ。

瀬名｢はぁ…一回外から見てなよ｣

朱桜｢ｯ…すみ、ません…｣

朱桜は瀬名の言うとおり、あたしの横へ来て座った。

再び流れる音楽に合わせ、三人が踊る。そのダンスは優雅で、見目麗しく、力強い。

明星の言葉を使うとすれば、『キラキラの世界』だ。

貴｢朱桜はどこでいつも躓(つまず)いてるの？｣

朱桜｢え？あ、私は次のサビの…｣

あ、ここか。

確かに、ステップが難しい。そしてこの後は、少し眺めの歌詞だから。

完璧なダンスと、音色を組み合わせるのは至難の業だろう。

貴｢ていうかさ、朱桜は何を考えて踊ってる？｣

朱桜｢え？うーん……先輩に、文句を言われないように…ですかね？｣