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第74話 ページ37

貴「は?」

なんて冗談を言うんだ。思わず、めちゃめちゃ低い声で『は?』と言ってしまった。先輩に。

貴「冗談…?」

仁兎「…」

そんな訳、なさそうだ。

仁兎がそんな顔をするなんて。まさか、本当に…?

「A先輩!」

貴「華ちゃん!それに、ワカと、アヤト」

仁兎と鬼龍先輩が振り返り、駆け寄ってくる3人のために道を開けてやる。

華ちゃんが私に駆け寄り、1つ唾を飲み込んで、その青い瞳で私を見つめた。

華「あのっ!羽風薫…先輩の事なんですけど」

貴「うん。聞いた。スギを殴ったんだってね」

華「そ、そうなんです!あの、その、今この場で、こんなことを言うのもアレなんですけど…」

貴「なに?」

華「…羽風薫は、やめた方が、いいと、思います」

貴「やめる?」

華ちゃんの言葉に私の声は、いっそう低くなった。

華「あの人は、A先輩を傷つけるだけです!その、だからっ、もうあんな危険な人とは」

(はた)いた。

アイドルだから、もちろん。加減して。

赤くなった頬をおさえ、華ちゃんが、呆然とした顔で私を見る。

ワカとアヤト、そして仁兎と鬼龍先輩も、この場にいた私以外全員が、息を止めた。

貴「傷なんて、もうじゅうぶんに、受けてきた」

私を作り出したのはまさに『傷』。

親に捨てられたという『傷』。

孤児という『傷』。

養父に暴行されたという『傷』。

周囲から嘲笑われた『傷』。

借金取りに追われた『傷』。

過去最悪の番組を制作したという『傷』。

ボロボロだったその傷口に、優しく治療を施してくれたのは、他でもない。出会った人々全て。

完治したわけでなくとも、もういいってくらいに、満たされている。

だから、とっくの昔に覚悟してる。

これから受ける『傷』の痛み。

貴方と共に超えると決めたから。

貴「例え誰からやめろと言われても、私の気持ちに終止符(ピリオド)を打てるのは、たった一人よ」

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(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます。まだまだ未熟者なので、流石に人気は出ないですね…。もっと精進しなければ。これからも素晴らしい作品だと言ってもらえるように、努力しながら、更新頑張っていきます! (2018年3月12日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - そう言いたいほど大変素晴らしい作品です。私自身、放送部の部長をしていて楽しめましたし、なにより内容が素晴らしい。羽風好きになりそうですなんかもう…有難うございます(←)これからも読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - 初めまして。昨日この作品を見つけて読ませて頂きました。文が拙いし、長くなりますが感想を言いたいです。”なぜ人気でないんだ”。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月27日 22時

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