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第73話 ページ36

音がした。

誰か近くにいる。

私は思い切り壁を蹴った。とにかく蹴りまくる。

ボソボソと声が聞こえる。誰でもいい!助けてくれ!。

そして光の線が入り込み、蓋が開いた。

また、君が見つけてくれると思っていた。けれど、視界に映ったのは、

仁兎「A!?こんな所で何してるんら!?」

猿轡を外してもらい、箱から救出される。鬼龍先輩もいたようで、仁兎が私の足の縄を、鬼龍先輩が手の縄を解いてくれた。

若干、赤く跡の残った手首を擦りながら、ありがとう。と礼を言う。

仁兎「何があったんだよ」

貴「わかんない。会場行く前に、番組の審査員の先生に挨拶してて、その帰りに背後から殴られて」

鬼龍「気を失っちまったってわけか」

貴「そうです。目を覚ましたら、また箱みたいな中にいて…」

いてて、と後頭部を触りながら部屋から出る。どうやらここは倉庫らしい。よく見たら、ダンボールやら、書類やらなんやら、敷き詰められた部屋だ。

にしても。

貴「静かじゃない?」

仁兎「へ?」

貴「だって今日、大会じゃん。至る所で高校生か中学生が練習しててもおかしくないと思うんだけど…?」

仁兎「ぁ…」

仁兎が俯いた。こんな悲しそうな顔を見るのは何年ぶりだろうか。

鬼龍「嬢ちゃん。落ち着いて聞いてくれ」

仁兎の肩に手を置いて、三白眼の瞳をさらに鋭くしながら、鬼龍先輩が淡々と続ける。

鬼龍「大会は中止になったんだ」

貴「へぇ。どうしてです?」

鬼龍「事件が起こっちまったんだよ」

まるでそれは、ドラマのセリフのようで。半ば、信じてはいなかった。

鬼龍「羽風が、嬢ちゃんの友人の、瀬名宕を鉄の棒で殴ったんだよ」

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(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます。まだまだ未熟者なので、流石に人気は出ないですね…。もっと精進しなければ。これからも素晴らしい作品だと言ってもらえるように、努力しながら、更新頑張っていきます! (2018年3月12日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - そう言いたいほど大変素晴らしい作品です。私自身、放送部の部長をしていて楽しめましたし、なにより内容が素晴らしい。羽風好きになりそうですなんかもう…有難うございます(←)これからも読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - 初めまして。昨日この作品を見つけて読ませて頂きました。文が拙いし、長くなりますが感想を言いたいです。”なぜ人気でないんだ”。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月27日 22時

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