検索窓
今日:18 hit、昨日:0 hit、合計:23,964 hit

第61話 ページ24

羽風「…」

羽風薫が立ち上がって、私の頬に手を当てた。

涙を拭っていた手を相手が掴む。

視線を上にあげると、彼の顔がもうすぐそこにあって…。

理解が追いつく前に、私の唇には、熱くて柔らかい感触があった。

唇が離れて、彼の顔が横に逸れる。ペロリと熱い舌が、私の頬を舐めた。

羽風「…しょっぱい」

貴「あたっ、当たり前です!バカ!!」

羽風薫の胸板を全力で押した。

相手はバランスを崩してひっくり返る。キャスター付きの椅子が、衝撃で転がった。

朔間「初々しいのう…♪」

貴「あぁもう。やっぱり、心配なんてするんじゃなかった」

羽風「あはは。ごめんごめん♪」

貴「……でももう、一人で解決しようなんて思わないでくださいね」

羽風「それは」

貴「解決するまで私に会わないつもりだったんでしょ?迷惑かけちゃうとか、そんなことで」

羽風「えっ」

羽風薫は朔間先輩を見た。朔間先輩は、知らん顔して笑っている。

貴「…迷惑、かけてください。大好きな人を助けるための迷惑なら、困難なら、どんなものも乗り越えてみせますから」

羽風「A、ちゃん」

貴「信じてますよ。薫先輩」

羽風薫の瞳が揺れた。

滴の欠片が、ぱっと光って、散って消えた。

羽風「ありがと」

久しぶりに見た、彼の微笑んだ表情に、私が見ていた景色が、彼の色に煌めいた。

第62話→←第60話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 羽風薫 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 千代さん» ありがとうございます。まだまだ未熟者なので、流石に人気は出ないですね…。もっと精進しなければ。これからも素晴らしい作品だと言ってもらえるように、努力しながら、更新頑張っていきます! (2018年3月12日 22時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - そう言いたいほど大変素晴らしい作品です。私自身、放送部の部長をしていて楽しめましたし、なにより内容が素晴らしい。羽風好きになりそうですなんかもう…有難うございます(←)これからも読ませて頂きます。更新頑張ってください! (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)
千代(プロフ) - 初めまして。昨日この作品を見つけて読ませて頂きました。文が拙いし、長くなりますが感想を言いたいです。”なぜ人気でないんだ”。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: b14c7e5392 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年2月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。