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第14話 ページ16

腕を掴まれ、勢いよくひっぱられる。何?誰?

私の後頭部に手を当て、腕を引きながら私は誰かの腕の中にスッポリと収まった。

激しく呼吸する音、打ち続ける心音。微かに香る汗の匂いと、知った匂い。

「良かった…」

唾を飲み込み、安堵の息を大きく漏らした彼。

貴「…薫、先輩」

羽風「よかった、Aちゃん。無事で」

見ると綺麗な髪の毛を乱して、眉を八の字に笑っている。

貴「どうして、ここが?」

羽風「ちょっと話を聞いてね、暗闇とか、そういうのが多そうな場所を探してたんだ」

貴「でも、そんなところ沢山あるじゃないっすか…」

羽風「放送室にデータ、移しに行くんじゃないかって思ってさ。合間ぬって行くってこと、知ってたからここら辺かな〜って?」

貴「そう、なんだ」

羽風「見つけるの遅くなってごめんね?怖かったでしょ」

貴「いえ、別に」

羽風「嘘。身体、震えてる」

私を抱きしめる力が強くなった。頭を優しく撫でてくれる手がある。

奴の手とは全然違う。大切だよって、言葉でなくて伝えてくれる大きな手。

羽風「ごめんね」

貴「…遅いっすよ」

羽風「ごめん」

貴「…助けて欲しくて、たまらなかった」

羽風「ごめん」

貴「遅い、怖かった、ばか」

羽風「ごめんね、ごめん」

『ばか』と『ごめん』。

安心する羽風薫の体温を全部私のモノにして、急いで安心感を取り入れる。

私の頭から背中に手を移し、震えが止まるまで抱きしめながら、優しく背中を撫で続けてくれていた。

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カグサ(プロフ) - 羽風先輩の執事服とか私得すぎてもうほんとに無理です(語彙力)連コメ失礼いたしました! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - カグサさん» ありがとうございます。頑張ります! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 1話から一気に読まさせていただきました!とても素敵な作品だなって思いました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月26日 23時

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