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第13話 ページ15

暴れた勢いで拘束の緩んだ手を振りほどき、すぐ近くにあった三脚を掴んで奴の顔を殴る。

「うぐぁ!?」

痛みに悶えてる間、私はスマホカバーの裏に保険証を挟み、スマホを手にして外に出た。

片手には携帯。急いでたから、すぐに履けるサンダルを選んだのは間違いだった。とても走りにくい。

だからそれを脱ぎ捨てて、両手に持つ。裸足で、月夜の道をひたすらに走る。

素足だから、踏んだ小石が肉に刺さる。痛みでこけて、膝を擦りむく。けれど起き上がって、痛苦など気にせずにまた、ひたすらに、走った…。

「逃がさねぇからなぁ!!A!!許されると思うなよ!!!!」

様子を見ながら家に帰ると眠りこけている奴。私はその日からコイツが爆睡してる時間帯を狙って、道具を新しく住まうアパートへと運ぶことを決意した。

貴「やなこと、思い出したなぁ…」

そういうことをされそうになったものの、された事は1度もない。不幸中の幸い…とでも言っておこうか。

そう言えば、小さい頃は裸で外に出されたっけ。あの時は寒かったぁ…それに雪が痛かったし。

ここ最近、手首につけられた痣。あのとき拘束された時の名残だ。あれから結構時間は経つのに、まだある忌々しい痣。

他にも痣は身体中にある。アパートを出、今はまた一人暮らしを始めたけれど、いつまた特定されるか。

貴「…やっぱり、私の思いなんて、伝えられるわけないんだ」

静かに瞳を閉じた。

その時、がたんと音がして、光の線が引かれた。

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カグサ(プロフ) - 羽風先輩の執事服とか私得すぎてもうほんとに無理です(語彙力)連コメ失礼いたしました! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - カグサさん» ありがとうございます。頑張ります! (2017年12月27日 20時) (レス) id: 09070ac26a (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 1話から一気に読まさせていただきました!とても素敵な作品だなって思いました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年12月27日 20時) (レス) id: 754d74c58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月26日 23時

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