あんスタ【世界は動いている】2 (ページ6)

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第44話ページ6

残念ながら、UNDEADは敗北。私は１度、外へ出て、きちんと写真が撮れているか確認しに行った。

中は暗かったから、窓から射し込む光が眩しい。

｢ねえ｣

声をかけられ振り返ると、そこにはUNDEAD過激派、そして学院の女帝と名高い、私のカメラを全て破壊した人。プラス信者が数名いた。

｢何で貴方がここにいる訳？近寄るなって、言ったわよね？｣

貴｢貴方たちにとって、勝負所とはどういう所ですか？｣

唐突な質問に苛立ち、彼女の眉間のしわが深くなる。

貴｢もしや、勝負する場もありませんか？｣

｢はぁ？あるわよそれくらい｣

貴｢私にだってあります。それは、ここです｣

私の舞台(せんじょう)はいつだって日常の中にあって、毎日の戦場(ぶたい)を駆け抜けてるんだ。

羽風｢Aちゃ｣

話しかける手前、彼は動きを止めた。

貴｢私の仕事の邪魔をしないでください。私は決して、下心があって、近寄っているわけじゃない！！｣

ビリビリと震える威圧を放ちながら、私は睨みを聞かせて声を上げる。

呆然とするそいつらを放ったらかし、私は次の戦場(ステージ)へと走る。

羽風｢…おかえり｣

夏の涼やかな風の音(ね)が、私の横で、静かに呟いた。