あんスタ【世界は動いている】2 (ページ25)

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第63話ページ25

鬼龍｢おう。カメラマンの嬢ちゃん｣

前方から歩いてくるのは空手部部長、そして紅月メンバーの鬼龍先輩だ。

大きな身体に、睨(ね)めつけるような三白眼。低音のボイスで名を呼ばれれば、普通の人は大抵ビビる。

平然として居られるようになったのも、時間のおかげ…ってところだろう。

鬼龍｢お前、俺たちの修学旅行にもついてくんだって？｣

貴｢そうですよ｣

鬼龍｢大変だな。知り合いもいないあんなむさ苦しい輪の中に居て、疲れねぇか？｣

貴｢ほとんど撮影に回りますし、１人の方が気が楽なので｣

鬼龍｢そうか｣

少し考えるような視線を向けられるが、すぐにそんな気配は消えた。一瞬だったから、私自身、気のせいだろうと思う。

鬼龍｢ま、なんかあったら言えよ。助けられるなら、できるだけ手助けしてやるから｣

貴｢ありがとうございます。なら、私がカメラを向けた時、最高の笑顔をお願いしますね｣

そういった時、鬼龍先輩は一瞬目を丸くして、笑声を漏らす。

鬼龍｢お前らしいな｣

貴｢どーも｣

後ろから鬼龍先輩は名を呼ばれ振り返る。そこには、紅月リーダー蓮巳先輩がいた。

蓮巳｢たく…探したぞって、久世、お前もいたのか？｣

はい。と返事し、軽く会釈。

蓮巳｢ちょうど良かった。お前も探していたのだ｣

貴｢…はぁ？｣