黒子のバスケ【あの青春をもう一度】最終章 (ページ17)

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第56話ページ17

視線だけでかわされるパスワークに誰も追いつけない。

いよいよ試合の行方がわからなくなってきた。

一枚上手の赤司は、天帝の目で火神を転ばせ、シュートを決める。もう時間はない。

ラスト、洛山ボール。

このまま時間が終わってしまうのではないかと言う中、伊月先輩がボールを奪った。

投げられた先、それをとった日向先輩の手に収まったのは、赤司が放つ究極のパスと同様のもの。直感的に入ると確信した実渕がブロックに飛ぶ。

そして身体をぶつけながら、日向先輩がシュートを決めた。

これが、最後の場面だ。

信じるのは、仲間の力。

放ったシュートは落ちる。それを、木吉鉄平がキャッチした。

誰が打つのか、誰が決めるのか、迷ったら忘れてしまうその存在にボールが回る。

受け取った黒子がシュート体勢に入った。だがそれを、シャットアウトするように赤司がブロックに飛ぶ。

黒子｢僕は、影だ｣

そして放たれたシュートは火神の手に収まり____。

ブザービーターで、ダンクが決まった。

新設二年目にして、怒涛の快進撃を続けてきた誠凛高校を、スポットライトが照らす。

赤司も涙を浮かべながら、黒子に握手を求めた。

そしてまた誓い合う。

またもう一度、試合をしようと。

同じ舞台で会おうと。

大好きなバスケで、また戦おうと。