黒子のバスケ【あの青春をもう一度】最終章 (ページ11)

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第50話ページ11

ゾーンの強制解放。

攻防が続き、負けると思われていたその時、火神もまた、自分の引き金(トリガー)を引いて、その扉を開けた。

次元の違う争いがここで起こっている。

稲妻のような赤と青の光が絡まり、残像が線を描く。超次元同士の戦いだ。入り込む隙なんてどこにもない。

だが、決定的に足りないものがある。

それは青峰が捨ててしまったもの。バスケにおいて、大切なものだ。

ラスト。放ったシュートをわざと外し、ぶち込んで誠凛の逆転勝利と収めたかったが、火神のダンクを青峰が阻止。

ボールが落ちた先に誰もいないと思われたが、そこには、黒子がいた。

全力で走る。

彼が信じたのは、『両方』だ。

勢いよく打ち上げられたボールは火神の手の中に収まり、弾丸のようにゴールの中へとぶち込まれる。

一点差で、見事一回戦は、桐皇に勝利した。

放心した青峰の顔に涙はなく、寧ろ、涼やかな顔だった。

最後に黒子と拳を合わせた彼の顔には、不敵な笑みが浮かんでいる。

嬉しいのか、悲しいのか、私の瞳には大粒の涙が流れていた。隣にいたサバも目を潤ませて、私の背中を優しく撫でてくれる。

勝敗よりも大切なこと。きっとそれは、『諦めない心』。

青峰｢練習…してぇな…｣

また君の口から、バスケがしたいと、聞こえた気がした。

私は全力で君の元へ走る。

ここからがまた、出発(スタート)地点だ。