あんスタ【もう1人の転校生】9 (ページ13)

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第90話ページ13

貴｢あれって…｣

2年B組に、異常な盛り上がりが。女の子の群れ、群れ群れ群れ………。

鳴上｢あら！泉ちゃんに、Aちゃんじゃなぁい♡｣

聞き覚えのある声が人混みから出てくる。その手にある看板には、『執事喫茶』と書かれていた。アイドル自らのご奉仕とか、最高じゃんか。

影片｢んぁっ。A先輩やん～♪｣

その後にひよこのように着いてきてたのはいつもと変わらず美しいオッドアイを持つ影片。ふわっと抱きついてきたので、抱き返す。だいぶ、慣れてくれたよなぁ。

鳴上｢うふふ。2人は、文化祭デート？｣

瀬名｢そんなんじゃないから。あんたこそ、ちゃんと接客になってるわけぇ？｣

鳴上｢当たり前でしょ！アタシを誰だと思ってるのよ～。女の子のハートは掴んでるわ｣

確かに。鳴上なら、違う意味の『キャー』だよね。恋バナとかでも盛り上がりそうだし。

影片は大変そうだけど、ステージでは見れない人見知りは可愛いとウケがいいようだ。あの時以来、ヴァルにも仕事は入ってきてるらしいし？って斎宮から聞いた。

貴｢そんな頑張ってる影片に、あたしからプレゼントフォーユー｣

影片の手を取り、掌に乗せたのはアメちゃん。

貴｢疲れたら舐めなよ～？疲労回復には、甘い物って言うしね｣

影片｢んへへ、おおきに｣

ほな～と手を振り、あたしたちは2人と別れた。通り過ぎる途中、寝ている朔間弟を無理やり動かそうとしている衣更の姿を見てぷっと吹き出す。

ナマケモノのようなその姿に、瀬名も苦笑を浮かべた。