あんスタ【もう1人の転校生】8 (ページ34)

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第71話ページ34

瀬名｢つかまえたぁ！！｣

守｢…ε≡ ヽ＿＿〇ノ｣

羽交い締めにされ、ウィッグが落ちる。みなが覗き込んだ顔は確かに見知った顔…あたしの弟の守の顔だった。

羽風｢なんで君がいるの？ていうか、なんでAに成りすましてるの？｣

守｢…｣

瀬名が手を離し、ポケットの中からメモ帳を出した。横から蓮巳がペンを差し出す。守は会釈して、サラサラと綺麗な文字を書いていく。

守［まぁ、色々とありまして…］

斎宮｢その色々とはなんだ｣

守［青井と赤井は知っていますね？］

その二人が、あの件以来、他の学年から呼び出しをくらったらしく…

守［それを助けに、今日一日は変わってくれと言われたんです］

瀬名｢てことは、Aは今、ハナサクにいるってこと？｣

守は瀬名の口唇を読みコクリと頷く。

蓮巳｢勝手なことを…｣

天祥院｢無事だといいけどね｣

守｢…｣

守のスマホが鳴った。メールのようだ。

送信相手は、『橘A』。

守｢…！｣

瀬名｢どうしたの？｣

守が画面を見せる。

守沢｢赤井と青井が仕事先のスポンサーに無理やり連れていかれた。だから、｣

瀬名｢今から乗り込む…なんて、馬鹿じゃないのぉ！？｣

蓮巳｢場所は、書いてないようだな｣

斎宮｢今余計に事を大きくすれば、本当に文化祭は中止になるぞ｣

天祥院｢守君。その携帯を借りてもいいかな？｣

意味を理解していないが、守は天祥院にスマホを渡す。

天祥院｢送信先を逆探知してみる。敬人は先生方に連絡を。他のみんなは、自分の足でAを探して｣

瀬名｢あんたが仕切るのは癪だけど…｣

皆は、深く頷き走り出した。