あんスタ【もう1人の転校生】5 (ページ5)

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第43話ページ5

貴｢こ、これは…｣

机に運ばれてきた、とても大きなパフェ。

あたしの座高と同じくらいだ。って言っても、分からないか。んー…例えると…五十センチものさしとその半分ってとこ？

月永｢スオー。あんまり食うと太るぞ？お前がKnightsで一番、下なんだからな？｣

朱桜｢む…わ、分かってます…｣

小さなスプーンにすくった白いアイスを口に含めば、朱桜は方頬に手を当て、美味しそうに目を細める。

嬉しそうに、口元が緩んでいる。

月永｢んー…｣

その横で、月永は真剣に楽譜を書いていた。視界に入った音譜は、確かに綺麗な音を奏でている。

その手で描かれる音は、鳴らなくても、音楽になる。

天才とは、まさにこのことか…。

朱桜｢Aお姉さまも1口どうですか？｣

貴｢へっ？｣

気づいた時には、あたしの口元にパフェの一部が乗ったスプーンの先。

こりゃ、食わないかんな。

貴｢あーん｣

朱桜｢あーん♪｣

口内に広がる甘い香りと、多数の味。

蜜柑、メロン、苺に…葡萄？んと、バニラ……あ、チョコレートもある。

朱桜｢美味しいですか？｣

貴｢ん｣

親指と人差し指を合わせてワッカを作る。オーケーサインだ。

朱桜は顔を明るくし、再びパフェを食す。可愛いなぁ、こんな弟、欲しかった。

｢あ、あの！｣