12・2人 ページ12
ココside
『さっむ。青宗の単車乗ってくるんだった』
「ンな事したらイヌピーにキレられるだろ」
静かな住宅街。既に日は落ちており当たりは暗い。
街灯がAの顔に光を灯し、消える。
一度俺の家に寄り、着替えてから乾家に向かった。
度々会話はするが長くは続けずに乾家に着く。
『寒っ!暖房つけときゃ良かった…
あ、着替えてくるから適当に座ってて』
「おー」
パタパタと階段を登って行く音を聞きながらソファに腰掛ける。
おばさんが海外赴任をしてからもうすぐ一年経つ。
おじさんは7年も前から単身赴任を繰り返しており、家に帰る事は少ない。
その為か、おばさんの海外赴任が決まっても2人は然程驚かなかった。
『ねーココ。何食べたい?』
着替え終わったAが下に降りてくる。
まだ寒いのか、着込んだ状態で。
「寒いし鍋食いたい」
『鍋かぁ、ちょっと待ってて』
野菜あったっけ。と冷蔵庫を覗きに行ったAの背を見つめ、頭の端にある記憶を引っ張り出す。
似ていない。髪の毛色も、顔だってイヌピーの方が似ている。だが雰囲気が似ているのは同じ血が流れているからだろうか。
『お、具材あった。ココ、手伝って』
「おー」
振り向いたAに返事をし、腰を上げた。
・
「早く食おうぜー」
『ちょっと待って、
鍋って言ったらやっぱこれっしょ』
出来た鍋を前にし椅子に座った俺を悪戯っ子のように笑うA。その手には缶ビールが握られている。
「バレたらキレられるぞ。つーかお前酒癖悪いだろ」
『良いって良いって。はい口止め料』
「おい」
コトリと俺の前にも缶ビールを置きながらAは既に空けたビールを煽った。
『あーやっぱこれよ』
「おっさんかよ」
鍋をつつき、ビールの栓をあける。
Aにはあぁ行ったが偶には良いだろう。
「うめぇな」
『でしょー』
肉団子を口に放りビールで流し込む。
それにしても…
「お前ペース早くねぇか?」
半分ほど鍋を食べたが、Aは余り手をつけていない。さっきからビールばっかり飲んでいる。
『ふつーふつー』
へらりと笑い新しく出してきたビールに手を伸ばす。顔はほのかに赤い。
「絶対ェ普通じゃねぇ…」
小さくそう零し、残りのビールを煽った。
411人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅楓(プロフ) - とってもこのお話好きなんですけど、もう更新しませんか?更新してもらえたら嬉しいです!! (2021年9月6日 21時) (レス) id: 00281eed20 (このIDを非表示/違反報告)
ファナ(プロフ) - 蛙パーカーさん» 了解ですー!高確率でピンクシーン出す人間なので気を付けます( ˙-˙ ) (2021年8月3日 18時) (レス) id: 9cecc5311f (このIDを非表示/違反報告)
蛙パーカー - もし、ピンクシーン有るんだったら、目次の所に※じとかのマークお願いしたいっす!これからも応援してますっす! (2021年8月3日 15時) (レス) id: b75236f17d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ファナ | 作成日時:2021年6月19日 11時