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「熱はないようだな」
おでこを重ね合わせて顔を見ると、Aは驚いたように大きく目を見開いて、すぐにギュッと閉じた。くちびるまでは、ほんの数センチ……あまりの可愛らしさに、くちづけたくなると__
グウゥゥゥ〜__
「きゃっ、や、やだ！もう」
赤い顔のまま自らのお腹を押さえ、恥ずかしそうにうろたえる彼女に微笑む。
「今日は何か食べに行こうか。制服を着替えてきなさい」
「は、はい」
自分も自室に行き、紫のヴァレンティノのスーツになんとか着替えた。
片手だと、やはり手間がかかるな。それにしても……彼女の前だと、自分を制御できなくなりそうだ。あのまま、くちびるにキスをしていたら、どうなっていただろう……。
首を振りながら、自重する。
ダメだ……好きでもない男にキスをされて、喜ぶ女の子はいないな。もっと慎重にしなければ……。
「ごちそう様でした。とっても美味しかったです。でも、こんな格好で来ちゃって良かったんでしょうか？」
レストラン内を見渡せば、私のような子供はどこにも見当たらず、素敵な格好をした大人ばかりだ。
吉良さんのスーツ姿も、すごくかっこ良い！なのに私ときたら、こんな普通の格好で……。
「ここはドレスコードはないから平気だよ。でも、そうだな……この後、付き合ってもらってもいいかな？」
「はい、もちろんです」
そう言われて連れて来られた、またもや高級そうなお店。並んでいたのは、どれも素敵な服ばかりだった。
うわぁ〜、お値段が！……０がひとつ多いような。
吉良さんが近寄ってきた店員さんに声をかける。
「君、彼女に似合いそうなものを何着か見繕ってくれ」
「かしこまりました。お嬢様のご希望のデザインや色はございますか？」
「A、どんな服がいい？好きなものを選びなさい。プレゼントするよ」
「ええっ!?いただけませんよ！そんな理由はないし、第一、こんな高級そうなお店……」
「私がプレゼントしたいんだ。理由はそれで十分じゃあないか」
「で、でも」
「フム……君はずいぶんと遠慮深いんだな。私が今まで付き合ってきた女の子達とは、やはり違うようだ」
ズキッ__
付き合ってきた女の子達って……。
ううん、吉良さんにだって、過去に付き合ってた人くらいいるよね。一体、どんな人達だったんだろう？何人くらいの人と、付き合ってきたの？
……何これ、胸が苦しい……。
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パエリヤさん(プロフ) - やばいです！綺麗な文章で素敵です！ありがとうございます！ (2022年1月31日 19時) (
レス) id: a088706bb8 (このIDを非表示/違反報告)
よっちー - サイコーです！続きを楽しみにしてます！ (2021年7月13日 14時) (レス) id: eac1b7e0ad (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 更新多くて嬉しいです！ (2021年7月11日 18時) (レス) id: 73f14cc594 (このIDを非表示/違反報告)
桜鯛(プロフ) - 凄く面白くて一気に2まで駆け抜けました。もっと早く知りたかった作品です…！今は友希を募集していないようなので、また再開したら必ずすっ飛んで行きます！お気に入り失礼します。 (2021年4月2日 1時) (レス) id: d34a88a9f2 (このIDを非表示/違反報告)
すみね(プロフ) - 本当に大好きな作品です。ありがとうございます。 (2020年7月26日 1時) (レス) id: 8a8e69e87d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2017年3月16日 20時
