・・・�� ページ29
「……何を__言っている？」
「しばらくここで寝泊まりして下さいって。あ、もちろんご飯の支度は私がやるので、心配しなくて大丈夫ですよ」
なんとかなるよね……吉良さんのところで食事を作る時に、一人分多めに作れば。
「そうだ、ご家族に電話しますか？事情を説明しないと」
「必要ない」
「そうですか……」
やっぱり何かあるのかな……こんな大怪我してるのに、家族に電話一本しないなんて……。
……ううん、今は余計な詮索はしないことにしよう。それよりも、まだ何か警戒しているようだから、まずは安心させないと！
「あの、大丈夫ですからね。後からお金を要求したり、変なことを言ったりもしませんから」
彼は怪訝な顔のまま、辺りを見回す。
「ここ以外に部屋はあるのか？」
「ないです。あとは小さいキッチンと、トイレとバスがあるだけで。あの、この部屋が狭くても我慢して下さいね」
「……俺を誘っているのか？」
「はい？」
狭いのが嫌なのかと思い少し心配になっていたが、意味のわからないことを聞かれて首を傾げると、彼はため息混じりに自分の寝ているベッドを指差した。
「男と同じ部屋で、ずっと寝泊まりする気なのか？と聞いている」
「え……あ！ち、違いますよ。私は別のとこで寝泊まりしているので、だから別に、へ、変な意味で言ったんじゃ」
今更ながらにその真意に気が付き、慌てて否定する。
そ、そういえば私、露伴先生と山小屋で一晩過ごそうとしたし、吉良さんとは一緒に住み始めちゃったけど……もしかして、もう少し気をつけなきゃいけなかったんじゃ。
で、でも！あの時は遭難しちゃってどうしようもなかったし、結局、山小屋には泊まらなかったんだし！それに吉良さんとの同居だって、別にやましいことじゃなくて、吉良さんが怪我してて不便だからで！
「おい」
「ひゃい！」
動揺して可笑しな返事をしてしまった私を、目の前の彼は呆れ顔で見つめている。
「ハァ……安心しろ。例え誘われても、お前のような色気のない小娘を、どうこうしようとは思わん」
う、色気がない……確かに、私をどうこうしようなんて思う人は、いないと思うけど……そうはっきり言われると、傷つくんですけど……。
傷心している私を気にも留めず、彼は壁に手をついてベッドから出ようとしていた。
「トイレを借りるぞ」
「あ、はい。じゃあ、私の肩に掴まって……きゃあっ‼」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 828人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パエリヤさん(プロフ) - やばいです！綺麗な文章で素敵です！ありがとうございます！ (2022年1月31日 19時) (
レス) id: a088706bb8 (このIDを非表示/違反報告)
よっちー - サイコーです！続きを楽しみにしてます！ (2021年7月13日 14時) (レス) id: eac1b7e0ad (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 更新多くて嬉しいです！ (2021年7月11日 18時) (レス) id: 73f14cc594 (このIDを非表示/違反報告)
桜鯛(プロフ) - 凄く面白くて一気に2まで駆け抜けました。もっと早く知りたかった作品です…！今は友希を募集していないようなので、また再開したら必ずすっ飛んで行きます！お気に入り失礼します。 (2021年4月2日 1時) (レス) id: d34a88a9f2 (このIDを非表示/違反報告)
すみね(プロフ) - 本当に大好きな作品です。ありがとうございます。 (2020年7月26日 1時) (レス) id: 8a8e69e87d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光
| 作成日時：2017年3月16日 20時
