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「露伴先生、なんか行きより歩いてませんか？」
「う〜ん、なんだかさァ……迷ったみたいだ」
「えっ!?」
「日も暮れてきたし、今日帰るのは無理そうだな」
「き、今日帰るのは無理そうって、な、なんでそんなに冷静なんですか!?私達、遭難したんですよ！」
「プッ、遭難って大げさだなァ〜。ちょっと迷っただけじゃあないか」
「帰れないんだから、ちょっとじゃないですよ！」
「まぁ、なんとかなるだろ。大丈夫だ、僕に任せろ」
立ち止まってリュックからコンパスと地図を取り出し、懐中電灯で山小屋を確認すると、Aを背に乗せてまた歩き出した。本当は、このまま山を降りようとしたのだが__彼女がずっと吉良のことを褒めちぎるものだから、やっぱり奴のところで働かせたくなくなって、迷ったフリをして山を降りないことに決めた。
初日から連絡も無く、すっぽかしたとなれば、解雇されるかもしれないじゃあないか。そうなれば、僕がAを雇えるしな。
……あった。あそこだな。
「あっ、露伴先生、小屋がありますよ」
「あるって言うのは聞いていたんだが、運良く辿り着けて良かったよ」
「あれ……？なんか鳴き声がする。ちょと降ろして下さい」
僕の背中から降りると、彼女は懐中電灯で当たりを照らして、あっと声を上げた。
「ヒナ鳥がいますよ！」
「本当だ。どこか木の上に巣があって、落ちたみたいだな」
「わぁ、可愛い！……巣に戻してあげたいけど」
「無理だろうな。この暗さだし、木もずいぶんと高くて登ることは出来ないよ」
「そんな……このままだと他の動物に食べられたり、死んでしまうかもしれませんよね？」
「それもまた、自然の営みなのかもなァ」
「まだ、こんなに小さいのに……」
そう言うと、彼女はヒナ鳥を両手でそっと包んだ。
「おいおい、そいつをどうする気だい？君、自然の摂理に逆らうのか？」
「だって、このまま見殺しになんて出来ないです。小さくても命なんですよ」
「ピーピーピー！」
「あ……露伴先生、この子持って下さい」
「なんで僕が」
「だって、私の手が冷たいから、きっと寒いと思うし」
「……ハァ、わかったよ、そんな顔するんじゃあない。ほら、貸せ」
仕方ない……惚れた弱みだ……。
僕の手に包まれたヒナ鳥は、安心したように大人しく眠り始めた。
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m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
