・・・�� ページ4
「いえ、全然そんなことないです。私の方こそ、本当にすみません」
誘いを断わられたのはこの子が初めてだが、今までの女達よりもずっと清楚で礼儀正しいな。
彼女の全体的な印象＿話した感じは、私を一発で魅了したその手と同じく、非常に好感の持てるものだった。興味を覚えつつも、やはり欲しいのは【彼女】だけだと再認識する。
しょせん言葉も心も邪魔なだけだ。
この吉良吉影を至福へと誘(いざな)ってくれるのは、やはり物言わない【彼女】だけ。ああ、早く【君】が欲しい……一緒に暮らしたい。
だが、ここでは人目がありすぎるな。なんとか人気のないところまで連れて行きたいが、どうするかな……。
「少しの時間も取れないかな？実は君の絵がすごく気に入ってしまってね。このまま別れるには、ひどく惜しいんだ」
笑顔を見せながら少女に話しかけるが、堪え切れなくなって再び【彼女】を握りしめると、ゾクゾクッと痺れるような甘美な快感に、またもや囚われた。
荒くなりそうな息を整えながら、顔に貼り付けた紳士の笑顔を最大限に活かすと、少女に名乗りを上げる。
「そういえば、自己紹介がまだだったね。私の名は吉良吉影だ」
「私はAと言います」
ペコリとお辞儀し、はにかんだような笑顔を見て、何とも言えないような不思議な感覚に陥った。
「……」
「あの、今日は無理なんですが別の日でしたら。私もまた逢ってお話したいです」
「そうかい？じゃあ、ここに連絡してくれるかな？」
携帯の番号を手渡しながら、心の中で首を捻る。
一瞬、この小娘の笑顔をずっと見ていたいような気持ちになった。今までの女達と、ずいぶん印象が違うせいか？まぁ、扱いやすそうなのは確かだから、こちらも精一杯優しくしてやるか……とは言え、それも【彼女】を手に入れるまでのことだがな。
「もし良かったら、君の連絡先も教えてもらえると嬉しいんだが」
「あ、携帯持ってなくて」
「そうか……」
自宅の電話はまずいな。親が出たら面倒だし、足がつくかもしれない。この少女からの連絡を待つしかないが……きっとくれるに違いない。
彼女の澄んだ瞳を見て、自然とそう感じた。
「ところで、家はこの近所なのかい？」
「いえ、隣町の杜王町です。実は最近、越して来て」
「杜王町？奇遇だな。私もそこに住んでいてね。あそこは町全体が美しい素敵な町だから、きっと君も気に入るんじゃあないかな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
