【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

花畑での出会い　ひとらんらん編 ページ9

コネシマ視点

鬱と仲良くなった後、休み時間も沢山話をしていたのだが、彼は用事があるからと慌ててクラスから駆け出していった

今日は特にこれから授業があるわけではないし、自由に先輩たちの授業を見学して構わないことになっている

午後には一コマ授業があるが、それも特に難しい勉強なのではなく、武器などの適正検査などを込めたものだという

この世界観でも武器はあるのか、と思ったが、ゲームの中では確かに攻略対象が剣や銃で戦っていたシーンがあった気がする


フラフラと廊下を歩いていれば、さっと開けた空間に突き当たった

吹き抜けの天井はガラス張りのようで、いつでも開閉できるような仕組みになっていた。ふわりと風が舞い込めば、辺り一面に咲き誇った花たちがゆらゆらと揺れる

赤、青、黄色。様々な花たちがここで育てられているようだった

コ「ぅわ、、、綺麗やな、、」

まるで、そこだけが切り取られたかのような錯覚に陥る。別世界のような感覚が拭えず、花たちに釘付けになったままで花にそっと手を当てると、ふんわりとしたいい香りが鼻をくすぐる

？「花が、好きなの？」

パチン。と目が覚めた感覚に、聞こえてきた声。そっと後ろを振り向いて見れば白い軍帽を被って白地に赤いバッテンが入ったマスクをつけた人がいた

間違いない、攻略対象のひとらんらんさんだろう

ひとらんらんさんは、トントンさんよりも濃い黒髪と黒曜石のような瞳を持つ攻略対象で、学園一動物と植物を愛していると言われている

が、俺は彼が苦手だった。なんせ、悪役に対して容赦がない人間で、やり方はグルッペンさんよりも残忍だ

コ「はい。ガーデニングに憧れてたんですけど、ここまで綺麗に咲かせられなくて、、枯らすのが可哀想で、、」

花が好きかと言われれば、答えはハイの一択だけだった。ガーデニングに挑戦してみたものの、うまく咲かない花ばかりだったのか失敗してしまったのだ

もう一度試そうもの考えたが、枯らしてしまっては花が可哀想だと思い、挑戦できずにいる

ひ「そうなのか、、。じゃあ、ここで一緒に育ててみない？教えてあげるし、今からなら時間あるからさ」

ひとらんらんさんはマスクを取り去ると、優しそうに微笑んでくれる。人当たりの良さそうな感じでゲームの中での怖そうな印象が一気に消え去っていった

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